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原子力は火力より安全である - 『リスクにあなたは騙される』
9・11のあと飛行機に乗る人が激減し、人々は自動車など他の交通手段を利用した。その結果、死者は減った... 9・11のあと飛行機に乗る人が激減し、人々は自動車など他の交通手段を利用した。その結果、死者は減っただろうか? 残念ながら2001年の9月以降の1年間に、アメリカで飛行機の代わりに自動車を使った人は1595人死亡した。同じ距離を移動する交通手段としては、飛行機がもっとも安全であり、自動車がもっとも危険だが、人は一挙に多くの人が死ぬ事故でリスクを評価する。 このようなバイアスが、もっとも愚かな政策を生んだのが、本書のテーマである「テロのとの戦い」である。イラク・アフガン戦争では軍民あわせて10万人近い死者が出たが、テロの犠牲者は全世界で年間300人前後で変わらない。これは1年間にプールで溺死するアメリカ人の数より少ない。平均的なアメリカ人がテロで死ぬ確率は1/10000以下だが、これは落雷で死ぬのと同じぐらいの確率である。 この「テロ」を「原発」と置き換えてみよう。日本で原子力施設の放射能で
2011/04/16 リンク