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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (32)

  • 「ミスを罰する」より効果的にミスを減らす『失敗ゼロからの脱却』

    ミスや失敗をなくすため、ヒューマンエラーに厳罰を下すとどうなるか? 一つの事例が、2001年に起きた旅客機のニアミス事故だ。羽田発のJAL907便と、韓国発のJAL958便が駿河湾上空でニアミスを起こしたもの。幸いにも死者は無かったものの、多数の重軽傷者が出ており、一歩間違えれば航空史上最悪の結果を招いた可能性もあった。 事故の原因は航空管制官による「便名の言い間違い」にあるとし、指示をした管制官と訓練生の2名が刑事事件に問われることになる。裁判は最高裁まで行われ、最終的には2名とも有罪となり、失職する。判決文にこうある。 そもそも、被告人両名が航空管制官として緊張感をもって、意識を集中して仕事をしていれば、起こり得なかった事態である [Wikipedia:日航空機駿河湾上空ニアミス事故] より 芳賀繁『失敗ゼロからの脱却』は、これに異を唱える。 事故は単一の人間のミスにより発生するので

    「ミスを罰する」より効果的にミスを減らす『失敗ゼロからの脱却』
    arajin
    arajin 2024/06/26
    「芳賀繁『失敗ゼロからの脱却』」「裁判は最高裁まで行われ、最終的には2名とも有罪となり、失職する。」「最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)」
  • 「あのときやっときゃ良かった」という後悔は、実際にはやれる可能性などなかったのだからソク忘れよう

    これは友人の話なのだが、「やれたかも」という夜は確かにあるそうだ。 「飲み会で意気投合した女の子と帰りの電車がたまたま一緒で、飲みなおそうという流れからカラオケへ」とか、「夏合宿の雑魚寝が寝苦しくて抜け出したら、後輩の子がついてきた」とか。 だが、イイ感じなのはそこまでで、「朝まで歌っただけ」とか、「ちょっと雑談してから部屋に戻って寝た」とか、他愛のないものに収束する。 まんざらでもない態度や視線に、選択を間違えなければチャンスをモノにできるはず……だが悲しいかな、ヘタレ童貞は何をどうすれば良いかわからない。ギャルゲ―なら2つか3つの「選択肢」だけだが、リアルは無限だ。深夜、女の子と二人っきりというシチュに、胸の鼓動がドキドキ目先はクラクラ、何も思い浮かばない。 かくして何も無いままとなる。その後の進展もなく(むしろ素っ気なくなる)、「やれたかも」は、「かも」のまま、思い出となる……と、そ

    「あのときやっときゃ良かった」という後悔は、実際にはやれる可能性などなかったのだからソク忘れよう
    arajin
    arajin 2024/02/19
    『「あのときやっときゃ良かった」という後悔は、実際にはやれる可能性などなかったのだからソク忘れよう』
  • 認知言語学から小説の面白さに迫る『小説の描写と技巧』

    小説の面白さはどこから来るのか? 物語のオリジナリティやキャラクターの深み、謎と驚き、テーマの共感性や描写の豊かさ、文体やスタイルなど、様々だ。 小説の面白さについて、数多くの物語論が著されてきたが、『小説の描写と技巧』(山梨正明、2023)はユニークなアプローチで斬り込んでいる。というのも、これは認知言語学の視点から、小説描写の主観性と客観性に焦点を当てて解説しているからだ。 特に興味深い点は、小説の表現描写が、人間の認知のメカニズムを反映しているという仮説だ。私たちが現実を知覚するように、小説内でも事物が描写されている。 認知言語学から小説の描写を分析する 通常ならメタファー、メトニミーといった修辞的技巧で片づけられてしまう「言葉の綾(あや)」が、ヒトの、「世界の認知の仕方」に沿っているという発想が面白い。これ、やり方を逆にして、認知科学の知見からメタファーをリバースエンジニアリングす

    認知言語学から小説の面白さに迫る『小説の描写と技巧』
  • システム開発に銀の弾丸はないが「金の弾丸」ならある『人が増えても速くならない』

    例えばソフトウェア開発において、 人が増えても納期が短くなるとは限らない 見積もりを求めるほどに絶望感が増す 納期をゴリ押すと、後から品質はリカバリできない これを見て、「だよねー」「あるあるw」という人は、書を読む必要はない。 プログラミングは人海戦術で何とかならないし、「厳密に見積もれ」というプレッシャーは見積額を底上げするし、納期が優先されて切り捨てられた品質は、技術的負債として残り続ける。経験豊富なエンジニアなら、大なり小なり、酷い目に遭ってきただろうから。 だが、これらを理解できない人がいる。 要員を追加して、手分けしてやれば一気に片付くはず 厳密にやれば、見積りバッファーはゼロにできる 品質のことはリリース後にじっくりやればいい ……などと気で考えている。これは、ソフトウェア開発とはどういうものか、特性を知らないからだ。こんな無知な人間が経営層にいたり、顧客の代表となった場

    システム開発に銀の弾丸はないが「金の弾丸」ならある『人が増えても速くならない』
    arajin
    arajin 2023/06/15
    『人が増えても速くならない』(著者 : 倉貫義人)「速く作ることはできないが、「速く作れるチーム」は作れるという。」
  • 面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(前編)

    お薦めの世界史のについて、3人で2時間語り合った。 世界史を学びなおす最適な入門書や、ニュースの見方が変わってしまうような一冊、さらには、歴史を語る意味や方法といったメタ歴史まで、脚家タケハルさん、文学系Youtuberスケザネさん、そして私ことDainが、熱く語り合った。 全文はyoutubeで公開しているが、2時間超となんせ長い。なのでここでは、そこから厳選して紹介する。 因果関係を補完する『詳説 世界史研究』 スケザネ:大学生、あるいは社会人の方々にも、世界史を学ぶには、まず真っ先に「高校世界史」をオススメしたいです。世界の歴史を幅広く知るという観点から、高校世界史はベストだと思います。 代表的な高校世界史の教科書は、山川出版社の『詳説 世界史B』。世界史の概観が400ページぐらいにまとめられてて良いなんですが、これだけだと記述が簡素で、理解するには少ししんどい。 実際、自分が

    面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(前編)
  • 中学のとき国語でやった『最後の授業』は、中年になって世界史を学んだら解釈が変わった

    中学のとき、国語の授業で、アルフォンス・ドーデ『最後の授業』をやった。 フランス領アルザス地方に住む少年の目を通して、ドイツに占領される悲哀を描いた短編だ。明日からフランス語は禁止され、ドイツ語で教わることになる。だから今日は、フランス語の最後の授業なのだ、という話だ。 先生はフランス語の素晴らしさを伝えながら、国語を守ることの大切さを説く。ずっと勉強をさぼっていた少年は恥じ入るが、やがて授業の終わりを告げる鐘が鳴る。先生は蒼白になりながらも、黒板に大きく、「フランスばんざい」と書く…… 少年と同じくらいの年頃だったわたしは、いたく感動したことを覚えている。特に、先生の語る「ある民族が奴隷となっても、国語を守っている限り、牢獄のカギを握っているようなものだ」という一節は、長く記憶に残っている。 ところが、『詳説世界史研究』を読んだら、印象が変わった。 物語の舞台となったアルザス地方は、もと

    中学のとき国語でやった『最後の授業』は、中年になって世界史を学んだら解釈が変わった
  • 自分の死に方は自分で選ぼうと思っている『自殺学入門』

    容易に想像がつくが、『自殺学入門』によると、結婚して収入のある女性よりも、無職で離婚した男性の方が、より自殺率が高いという。 さらに、 太平洋・瀬戸内海沿岸よりも、日海側 平野部よりも、山間部 日照時間が短く、積雪が多い地域 の方が、自殺率が高くなるという。注意すべきは因果ではなく相関の関係にある点だ。山間部で積雪が多い地域だと、他者の支援や病院に行く必要があっても、そのコストが大きいだろうし、人口が少ないことから、福祉などの社会資源に乏しいことは明白だ。 また、パートナーと別れる場合の自殺リスクも、男女で差が出てくる。離婚であれ死別であれ、配偶者を失ってより大きなダメージを受け、自殺リスクになるのは男だというのだ。 一方で、自殺未遂は圧倒的に女が多いという。これは、男の方が、自分の身体にダメージを与える能力が高いというのと、男の方がためらわず、より致死的な方法を選ぶ傾向にあるからだとい

    自分の死に方は自分で選ぼうと思っている『自殺学入門』
    arajin
    arajin 2020/12/12
    “人はいずれ死ぬ。 その死に方が選べないかと検討している。その上では、本書は非常に有効だった。”
  • 「数量化革命」はスゴ本

    なぜ西欧が覇者なのか?これに「思考様式」から応えた一冊。 キモはこうだ。定性的に事物をとらえる旧来モデルに代わり、現実世界を定量的に把握する「数量化」が一般的な思考様式となった(→数量化革命)。その結果、現実とは数量的に理解するだけでなく、コントロールできる存在に変容させた(→近代科学の誕生)。 このような視覚化・数量化のパラダイムシフトを、暦、機械時計、地図製作、記数法、絵画の遠近法、楽譜、複式簿記を例に掲げ、「現実」を見える尺度を作る試行錯誤や発明とフィードバックを綿密に描く。 複式簿記・記数法:量を数に照応させることで、動的な現実を静的に「見える化」させる。あらゆる科学・哲学・テクノロジーよりも世界の「世界観」を変えた(と著者は断言する) 地図製作・遠近法:メルカトル図や一点消失遠近法を例に、三次元的な広がりを二次元に幾何学的に対応させた。さらに、図画から「そこに流れている時間」を取

    「数量化革命」はスゴ本
  • ノンフィクション100

    すごいノンフィクションは、一冊で常識を一変させる。目から鱗を叩き落とし、世界の解像度を上げる。積み重ねた事実の上に立たせ、偏見という壁の向こうを見せてくれる―――ノンフィクションには、そんな力がある。 ここでは、常識をアップデートし、偏見をとっぱらい、世界をクッキリと見せてくれる、「これはスゴい!」というノンフィクションを100選んだ。 選んだベースは以下からだが、選んだのがわたしだから偏りと不足がある。だから、「それがスゴいなら、これなんてどう?」とお薦めいただけると嬉しい。消費物ではなく、何度も読み継ぎ、語り継げるようなノンフィクションに出会いたいんだ。 『ノンフィクション新世紀 世界を変える、現実を書く。』石井光太責任編集 『東大教師が新入生にすすめる』文春新書 『kotoba』 27号 (2017年春) 「このノンフィクションが凄い!」 『kotoba』 37号 (2019年秋)

    ノンフィクション100
  • ミスが全くない仕事を目標にすると、ミスが報告されなくなる『測りすぎ』

    たとえば天下りマネージャーがやってきて、今度のプロジェクトでバグを撲滅すると言い出す。 そのため、バグを出したプログラマやベンダーはペナルティを課すと宣言する。そして、バグ管理簿を毎週チェックし始める。 すると、期待通りバグは出てこなくなる。代わりに「インシデント管理簿」が作成され、そこで不具合の解析や改修調整をするようになる。「バグ管理簿」に記載されるのは、ドキュメントの誤字脱字など無害なものになる。天下りの馬鹿マネージャーに出て行ってもらうまで。 天下りマネージャーが馬鹿なのは、なぜバグを管理するかを理解していないからだ。 なぜバグを管理するかというと、テストが想定通り進んでいて、品質を担保されているか測るためだ。沢山テストされてるならバグは出やすいし、熟知しているプログラマならバグは出にくい(反対に、テスト項目は消化しているのに、バグが出ないと、テストの品質を疑ってみる)。バグの出具

    ミスが全くない仕事を目標にすると、ミスが報告されなくなる『測りすぎ』
  • 驚くほど上達する「みんなで推敲」体験事例の発表会まとめ

    「文章の推敲は、自分一人でやるものだ」と思いこんでいないだろうか? しかし、グループウェアなどのコラボレーションツールを使って「みんなで推敲」すると、文章は、驚くほどよくなる。 「Googleドキュメントを文章推敲プラットフォームとして使う」という、誰でも思いつきそうな、しごく単純なアイデアだが、実際にやってみると、驚くほどの威力があり、新鮮な感動を覚える。これは、集合知を使った文章推敲のイノベーションだ。 この「みんなで推敲」の体験談の発表会が8月30日に開催された。具体的に、どのように「みんなで推敲」が行われ、文章が改良されていくのか、そのプロセスが分かる、たいへん興味深い内容だったので、この記事でまとめる。 今回発表を行ったのは、ふろむださん主催の[面白文章力クラブ]のメンバーの3人。このクラブは、ライティングの初心者からプロまでが集まって「みんなで推敲」を行う場所だ。 わたし自身、

    驚くほど上達する「みんなで推敲」体験事例の発表会まとめ
    arajin
    arajin 2019/09/01
    “この「みんなで推敲」のプロセスは、編集をシェアするという、新しい編集のやり方なのかもしれぬ。”読みながら考えたことが最後に書いてあった。
  • 山が好きだからといって善人とは限らない『闇冥』

    三大「〇〇好きに悪人はいない」のカウンターができた。 犬好きに悪人はいない → 『冷たい熱帯魚』 子好きに悪人はいない → 『IT』 山好きに悪人はいない → 『闇冥』 最初は、埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした映画園子温・監督・脚で、猟奇殺人事件に巻き込まれた男を描いたホラーだ。死体解体など凄惨なシーンもあり、R18+に指定されている。 次は、殺人ピエロの異名を持つジョン・ゲイシーから想を得た小説。みんな大好きスティーヴン・キングの長編で、映画にもなっている(リメイクされたハイ! ジョージーが有名やな)。怖さなら小説を、おぞましさなら、実話のほうWikipedia[ジョン・ゲイシー]をお薦めする。 最後は、今回お薦めの山岳ミステリアンソロジー。馳星周が選んだとあって、ノワールなやつから悲哀に満ちた作品までさまざま。ここでは、山岳ミステリの傑作とも言われる、松清張「遭難」について紹

    山が好きだからといって善人とは限らない『闇冥』
    arajin
    arajin 2019/03/10
    アンソロジー「松本清張 遭難、 新田次郎 錆びたピッケル、 加藤 薫 遭難、  森村誠一 垂直の陥穽」
  • 苦しまないと死ねない国で、上手に楽に死ぬために『医者には絶対書けない幸せな死に方』

    生活や仕事の質を上げるテクニックが「ライフハック」なら、書は、安らかに死ねるためのテクニックを集めた「デスハック」である。QOL(Quality Of Life)ならぬQOD(Quality Of Death)を向上させるノウハウ集やな。 「平均寿命」-「健康寿命」≒ 10年 日人の8割は病院で死ぬが、病院では迎える死は「安らか」でない場合が多いという。なまじ延命治療技術が発達してしまったため、病院のベッドに何か月も縛り付けられたまま拷問のような状態で死に至る人が大勢いるらしい。 WHOによると、「健康寿命」の定義は、「医療や介護に依存せず、自力で生活ができる期間」になる。日人の平均寿命(2016)と並べると、こうなる。 健康寿命/平均寿命 男  71歳 / 80歳 女  74歳 / 87歳 つまり、死ぬ前に、男は10年、女は12年程度、医療や介護のお世話になる期間があることが見込ま

    苦しまないと死ねない国で、上手に楽に死ぬために『医者には絶対書けない幸せな死に方』
    arajin
    arajin 2019/03/03
    “事前指示書については、たとえば東京駅の近くの京橋公証役場で、「尊厳死宣言公正証書」が作成できる(1万1千円とのこと)”
  • 『ウイルスの意味論』はスゴ本

    見えてるはずなのに見ていないことに気づくと、より世界が見えるようになる。目にウロコなどなく、先入観に邪魔されていただけなのだ。そして、先入観に気づくだけで、世界が一変する。なぜなら、そこに「ある」という確信をもって、見ようとするからだ。 「惑星系=太陽系」という先入観 たとえば、系外惑星。太陽系以外の惑星のこと。観測技術が向上したにも関わらず、近年までほとんど見つけることができなかった。しかし、1995年に「ホット・ジュピター」と呼ばれる系外惑星が見つかってから、ほとんど爆発的といってもいいほど大量に発見されている。 ここで重要なのは、ひとたび見つかると、ラッシュのように見つけられる点にある。なぜか? それは、それまで探す対象としていたモデルが、太陽系だったから。われわれのよく知るサンプル(=1)を基に望遠鏡を向け、似たようなサイズや軌道や周期を探しても、なかなか見つからない。 しかし、超

    『ウイルスの意味論』はスゴ本
    arajin
    arajin 2019/02/25
    “つまり、灰色牛は事実上、モンゴル軍の生物兵器になっていた”
  • 『ウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇』はスゴ本

    ウィトゲンシュタインののなかで、これが最も分かりやすい&面白い(当社比)。 数学という存在を、人の知性の産物である「発明」と捉える人がいる。いっぽうで、人が見出した世界の質である「発見」と見なす人がいる。この議論は、[『神は数学者か』はスゴ]にて語ったが、いずれの場合にせよ、数学の限界が(仮に)あるとしたならば、それは人の理性の限界であることは了解していただけるだろう。なぜなら、「発明」であれ「発見」であれ、主語が人である限り、その限界も人に属するからである。 ウィトゲンシュタインの講義は、数学の限界を見極める一方で、数学の底(もともとの了解事項)を明らかにしてくれる。 数学の底? そんなのユークリッド幾何学やヒルベルトの基礎付けを見るまでもなく、「定義」と「形式」でしょうに(あるいはそこから定義づけられる公理系といってもいい)。書を手にするまでは、そう考えていた。だが、「発明」で

    『ウィトゲンシュタインの講義 数学の基礎篇』はスゴ本
    arajin
    arajin 2018/12/01
    “本書をスゴ本にしているのは、受講生としてアラン・チューリングが出席し、積極的に発言していることだ。”
  • この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    まとめ すごく長くなったので、まとめる。まず、今年のベスト。 このがスゴい!2018のラインナップ。 このがスゴい!2018の一覧は以下の通り。 ◆フィクション 『ランドスケープと夏の定理』高島雄哉(東京創元社) 『舞踏会へ向かう三人の農夫』リチャード・パワーズ(河出書房新社) 『寿司 虚空編』小林銅蟲(三才ブックス) 『直線』ディック・フランシス(ハヤカワ文庫) 『ブッチャーズ・クロッシング』ジョン・ウィリアムズ(作品社) 『槿』古井由吉(講談社文芸文庫) 『平家物語』古川日出男(河出書房新社) ◆ノンフィクション 『知の果てへの旅』マーカス デュ・ソートイ(新潮クレスト・ブックス) 『愛とか正義とか』平尾昌宏(萌書房) 『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』吉川浩満(河出書房新社) 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』ふろむだ(ダイヤモンド社) 『文学

    この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • おっさんから若者に贈る「経験を買う」6冊: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    結論から言うと、経験は買える。 適切なタイミングで適切なと出会うことで、しなくてもいい経験や、身につけておくべき知恵を”買う”ことができる。今「おっさん」である私から、20年前の「若者」だった私に、いい仕事をする上で読んで欲しいを選んだ。 20年前は、炎上プロジェクトに飛び降りて、鎮火しつつ撤退する「しんがり」役を仰せつかっていた。負けることは決まっているが、死なないように生きることばかり考えていた。将来に漠然とした不安を感じていたものの、とにかく目の前の障壁をクリアすることが先決だと思っていた。 今はかなり違う。 身をもって得た経験や教訓はあるが、代償は大きく、もっと効率よく結果につなげることができたはず。この「効率」とは要するに時間だ。莫大な時を費やして手に入れた経験は確かに得難いが、そんなことをしなくても積むことはできた。どうすれば可能か、今なら分かる。 それはを読むことだ。

    おっさんから若者に贈る「経験を買う」6冊: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    arajin
    arajin 2018/07/09
    『怒らないこと』「ブッダが説き、本書で紹介している方法は、「怒りを観る」だ。怒りは観られた瞬間、消える。」/『問題解決大全』
  • 『市民のための世界史』はスゴ本

    知りたいことをネットで質問するのに、うまい方法がある。 初心者は、「○○について教えてください」と尋ねる。すると、Wikipediaのコピペを掴まされた挙句、「ちなみに旦那の年収は一千万円です」と聞かされるハメになる。上手な人は「教えてください」なんて下手に出ない。では、どうするか? 知りたいことについて分かってる限り、ドヤ顔で語り出すのだ。すると、その道の通たちが、寄ってたかって指摘してくれる。このブログで有難いのは、そうした専門家からツッコミをいただけるところ。 今回は、宮崎市定『アジア史外観』のレビューの反応から、『市民のための世界史』という素晴らしいをご紹介いただいた(稲田さん、ありがとうございます)。これは、タイトルさえ知っていれば検索できるが、どういう目的で、何を条件にすればヒットするかは、絶対に分からない。「わたしが知らないスゴ」は、読んだ誰かに教えてもらう外はない。「世

    『市民のための世界史』はスゴ本
  • 怒りの根っこには必ず、「私が正しい」という思いがある『怒らない練習』

    怒らない人生が欲しい人に。 マスゴミ、経済学者、暴走老人と、世に怒りの種は尽きまじ。新聞読まないのは心の平穏のためだし、オフィスではひたすら平常心、の罵倒は御褒美です。それでも「イラッ」とくる瞬間が怖い。いったん怒りのスイッチが入ったら、どんどんエスカレートして逆上するから。そして、ずっと後になっても何度となく思い出してはネチネチ自分を責めるハメになるから。 なんとかせねばと読んだのが『怒らないこと』、これは素晴らしいだった。なぜなら人生変わったから。「一冊で人生が変わる」ような軽い人生なのかと言われそうだが、違う。「怒り」の悩みは常々抱えており、ガン無視したり抑圧したり、王様の耳はロバの耳を繰り返してきた。上手くいったりいかなかったり、アンガー・マネジメントはかくも難しい。だが、そういう苦悩を重ねてきた結果、この一冊をトリガーとして一変させるだけの下準備になっていたのだろう。とにかく

    怒りの根っこには必ず、「私が正しい」という思いがある『怒らない練習』
    arajin
    arajin 2015/04/22
    「「思っていたのと違う出来事」から「怒り」を引き出しているのは他ならぬ自分自身で、このカラクリに気づいた瞬間、「怒り」は消える」
  • 最近の老人はキレやすい『高齢初犯』

    最初に結論を。高齢者の犯罪が増えている。おとなしい若者の代わりに、キレやすくなっているのは老人である。「年寄り笑うないつか行く道」は一般論で、"ある世代"は例外になる。 むろん、高齢化社会だから、老人犯罪が増えるのはあたりまえ。しかし、犯罪件数ではなく、人口比から見ても上昇が著しい。平成25年版犯罪白書[4.1高齢者犯罪の動向]によると、高齢者の検挙人員の人口比は、他の年齢層と比べて上昇が著しく、平成5年の約3倍となっている。つまり、罪を犯しやすい世代が、最近の老人なのだ。 6年前、[なぜ最近の老人はキレやすいのか?]というテーマで調べてまとめたのだが、しょせん素人仕事、きちんとした数字に裏打ちされた結果が得られなかった。だが、「キレる老人」は、私の個人的な印象ではなかった。「キレる老人」を統計化したのが平成25年版の犯罪白書であり、様々なインタビューでまとめたのが『高齢初犯』になる。

    最近の老人はキレやすい『高齢初犯』