科学の最先端の研究成果は、一般人にはなかなか使いこなせない。 たとえ科学者でも、研究分野がまったく違えば同様だろう。 そんな思い込みを打ち破る「五十嵐デザインインタフェースプロジェクト」の試みを、 五十嵐健夫・研究総括の足跡からたどってみた。 五十嵐准教授とプロジェクトメンバーたち。若き研究総括のもとに、日本ばかりでなく海外からも若き研究者たちが集い、自由な雰囲気のなかで、「誰もが使える最先端」の実現を目指している。 1999年、五十嵐准教授が大学院の博士課程の頃に開発した、誰でも簡単に3次元モデルが作れるプログラム。手描きスケッチで輪郭を描くと、2次元の線描が膨らんで3次元の形状になり、さらにお絵描きの感覚で色を塗れる(次ページ画像参照)。円を描けば球体に、楕円なら卵のように、描いたもののイメージに合わせて変化するこのプログラムは、市販の3Dグラフィックスソフトやゲームソフトに取り入れら