2018年に獲得した女流王位の初タイトル。 これが、何者でもなかった渡部愛にとって大きな自信になったことは間違いない。ただ自分に矢印を向けながらも、当時のことを冷静にこう振り返っている。 「タイトルを獲りたいという目標、それは叶いました。次の目標は防衛かなと最初は思いましたが、結局、行き着いたのは将棋を強くなること。それ以外は考えられなくなりました。タイトルももちろん大事ですけど、それ以上に将棋の質を高めること。自分の実力を底上げすること。それが大事なことだと感じた1年間でした」 「勉強時間が……」タイトルホルダーの難しさ 同時に、タイトルホルダーとして過ごす難しさも味わった1年だった。取材対応やイベント出演など様々なオファーが一気に舞い込んだことで、これまで経験したことのない忙しさに見舞われたからだ。 例えば、今まで移動中といえば、詰将棋や将棋の本を読んで過ごす時間だった。しかし、その時
![タイトル獲得、失冠、再挑戦… 28歳・渡部愛女流三段が「今の勝ち負けはどうでもいい」と言われ続けるワケ<将棋界初のコーチング>(いしかわごう)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d09d8e37ff501b65053e62346efb70798088587c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2F6%2F-%2Fimg_169e7af723f41ea07fd7a2ee64610d86124358.jpg)