王将リーグに照準を合わせた"定点観測"は今年で4年目。 2018年は8冠を8人が分け合った「戦国」、2019年は天才たちに「才能と努力」を聞いた。2020年は、世界の激変と藤井聡太のタイトル保持が常態化した「ニューノーマル」を議題とした。 そして2021年。夏の終わりに飛び込んだ、渡辺の研究用新マシン導入のニュース。GPUを使ったDL(ディープラーニング)系ソフト導入は昨秋に藤井が先陣を切っていたものの、一部のソフト研究に明るい棋士たちの実験材料の一つという認識だった。しかし、時の名人がCPUとGPU搭載の現環境では最高クラスのパソコンを購入したとなれば、時代のうねりが到来したことは間違いない。 テーマは「将棋研究2.0」。はたして「dlshogi」は “黒船”なのだろうかーー? 第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ戦には、今期も棋界のトップランナー7人が集結した。その挑戦を待ち受け
◆ ◆ ◆ 靴下とカフスボタンを東京に忘れてしまった ――近藤七段は昨年C級1組にて、藤井聡太七段の順位戦全勝を止めたことで注目を集めました。勝ったほうがB級2組昇級と言っていい大一番でしたね。 近藤 本当は西尾(明)七段にも勝って、全勝で藤井七段戦を迎えたかったです。負けたら終わり(昇級は絶望)だけど、自分は追い込まれたほうが力を発揮するタイプ。すごく重要な対局になったので、かなり対策をしました。ソフトでの序盤研究がメインです。相手の意表を突くような手も研究し、プロになってから一番というくらい徹底的に準備しました。ずっと難しい将棋で最後は競り勝てました。 ――研究には何のソフトを使っていますか? 近藤 それは企業秘密で(笑)。 ――分かりました。記者の数もすごかったですが、やりにくさはなかったですか? 近藤 藤井さんのデビューから19連勝目の竜王戦6組決勝の相手が僕で、そのときすごい数の
優勢で時間もあったときにパパッと指してしまった ――昇級と七段昇段おめでとうございます。B級1組への連続昇級は話題になりました。他棋戦に比べて勝率が良いですし、順位戦が得意なのに理由はありますか? 近藤 4期でここまで来られたのは完璧に近いと思っています。一手一手時間を使って考えられるので、持ち時間が長いほうが得意。終盤に時間を残そうと意識して指しています。順位戦は内容の良い将棋が多く、勝った将棋は時間に余裕を持って指せたと思います。 ――9回戦で競争相手の横山泰明七段との直接対決に負けて2敗目。「将棋世界」5月号に掲載された「昇級者喜びの声」では、「この敗戦で昇級を諦めていた」と書いていますね。そのあと2連勝して昇級したわけですが、どう気持ちを立て直したのでしょう? 近藤 横山七段戦は時間の使い方がちぐはぐで、優勢で時間もあったときにパパッと指してしまった。その読みに誤算があって時間を使
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