1996年、JRAに初めて女性騎手が誕生してから四半世紀。藤田菜七子をはじめとする女性騎手の活躍や、「UMAJO」と呼ばれる女性ファンの増加もあり、競馬界にも新風が吹き始めている。JRA初の女性騎手であり、現在は競馬評論家を務める細江純子に、女性騎手をめぐる競馬界の変化や、今後の課題について聞いた。(全3回の2回目/#1、#3へ) 伝える側になって初めて見えた競馬の世界 わずか5年の騎手生活を終え、競馬評論家に転身した細江。伝える側に回って初めて、騎手としての自分を冷静に振り返ることができるようになったという。 「厩務員さんへの取材では、1日に何度も厩舎に足を運んで馬の様子を確認したり、『そんなことまで!?』とこちらが驚くような細かいところにまで神経を使ってお世話をしている様子を目の当たりにしたんです。その過程で、やはり私は馬のことを全然わかっていなかったんだと痛感しました。私が厩務員なら