近年、社会問題や人間の生死を題材にした作品に数多く出演してきた俳優の奈緒さん。主演を務めた7月5日(金)公開の映画『先生の白い嘘』では、「男女の性の不条理」というセンシティブなテーマに挑みました。30代を目前に控えたいま、自身に向ける目線の変化や、これからの生き方について伺いました。 前に進むきっかけをくれた、あの人の言葉 ――奈緒さんはこれまでも、厳しい現実や社会問題も含めたさまざまなテーマの作品を、次々と体当たりで演じられています。そういった作品に出演を決められる際や、演じるうえで大切にしているのはどんなことですか? 奈緒さん(以下、奈緒): 映画やドラマといった“エンターテインメント”は、言葉の響きとしては楽しさが感じられるものですが、作品が伝えることは、時代背景が反映されていたり、誰か一人に対してのメッセージが含まれていたりするなど、狭く深いものであっていいのではと思っています。