塩害で農業の復興がままならない被災地では植物工場が農業再生に期待されている。仙台では野菜を調理して提供するレストランも登場している=仙台市若林区の「六丁目農園」(金谷かおり撮影) 東日本大震災の被災地で、深刻な被害を受けた農業の復興の有力な手段として、先端技術を活用した「植物(野菜)工場」が脚光を浴びている。外食チェーンのサイゼリヤが仙台市で来年3月からトマト工場を稼働させるほか、カゴメと日本IBMは、農業生産法人との共同研究に乗り出した。被災地の農地は津波による塩害が復興の大きな障害になっているが、養液などを使う植物工場なら克服可能だ。単なる復興ではなく、競争力の高い農業への再生につながるビジネスモデルとして期待は大きい。 津波で大きな被害を受けた仙台市東部の若林区。震災前は広大な水田が広がっていたが、海水につかり、今年の作付けはできなかった。その一角にある約1・5ヘクタールの敷地に、2