夏休みの読書に!と勧められていた『The Girlfriend』。すいすい読めるサイコスリラー。 〈登場人物〉テレビドラマ制作会社を経営するローラ(50代前半。以下年齢は一部推定)、その一人息子でケンブリッジ大学医学生のダニエル(23才)、彼と恋に落ちる美貌のチェリー(22才)、その母親でスーパーマーケット店員のウェンディ(40代後半)。 〈舞台〉ロンドンのいわゆる富裕地区ケンジントンと南仏サントロペ。 これだけでもう、ははーん、そういうやつね、という反応が返ってきてもおかしくない。たしかに「そういうやつ」ではありますが、80年代の「見栄講座」あたりに端を発する「金持」と「貧乏」の切り分けとか、韓流ドラマの基本であるどろどろの嫉妬とまさかの入院に慣れ親しんだ日本人読者としては、そうした要素が臆面もなく出てくるのが少々恥ずかしい。中流(日本でいえば上流)階級と労働者階級の相違や学歴、職業に対
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