ブラジルの首都ブラジリアで2016年3月、ルセフ大統領(当時)の弾劾を求めるデモに参加したジャイール・ボルソナーロ(中央)=ロイター タブーだった時代を公然と賛美 10月下旬、南米ブラジルの首都ブラジリアの国会議員会館。自室で出前のパスタをほおばりながら、彼は真顔でこう言った。「実は、私もびっくりしているんだ」 右翼のベテラン下院議員、ジャイール・ボルソナーロ(62)。来秋の大統領選に向けた世論調査で支持率17%を獲得。2014年の前回選挙で名前すら挙がらなかった一議員が、元大統領ルラ(72)の35%に次ぐ、2位に躍り出た。 しかもルラは7月、収賄と資金洗浄の罪で有罪の一審判決を受けており、二審も有罪判決となれば出馬できない。別の世論調査は、ルラ不在なら、ボルソナーロが中道左派系の元環境相と同率首位という結果をはじき出した。 人なつこい笑顔を振りまき、自分の冗談に高らかに笑う陽気なおじさん
ボウリングのようなフォームで、黙々と球を投げ込んでいく。観客は静かに見守る。黄色い歓声も応援合戦もなく、時折、拍手が起きるくらいだ。 6月に豪東部ゴールドコーストで開かれたローンボウルズの全国大会。国外からの参加も受け付け、賞金総額は25万豪ドル(約2200万円)を誇るが、会場に派手さはなく、落ち着いた雰囲気が漂っていた。 30メートルほど前に置かれたジャックと呼ばれる白い小さな球に向けて、いかに近くに自分の球を転がせるかを競う。シングルスでは4球ずつ投げ合った時点で、ジャックの最も近くに投げた選手に得点権が与えられ、相手のベストの投球よりもジャックに近く投げた球の数が得点となる。目視だけでは微妙なときは、じっくり巻き尺で測定。これを繰り返す。合計得点が先に21点に達した方が勝ち。大会では2対2、4対4のチーム戦も行われた。 豪州には約2000のクラブがあり、競技人口は発祥の地・英国をしの
Photo: Nishida Hiroki 小説が総合ベストテンを席巻するのは久しぶりだ。沸き立つ思いで、上位の韓国小説3冊を手に取った。 『82年生まれのキム・ジヨン』の主人公は、35歳の主婦。サラリーマンの夫、1歳半の娘と3人暮らしだ。ある日ジヨンは、婚家の家族の前で、「うちの娘はお盆のごちそう作りが終わると、いつも倒れるんですよ」と、実家の母の口調で姑に話しかけた。夫には、夫のことを好きだった大学の先輩女性の口調で話しかける。凍りつく人々。ジヨンは育児ノイローゼなのか。 ジヨンの生い立ちが、淡々と描写される。祖母は5歳下の弟だけを、「男の子だから」とかわいがる。二つしかないお菓子を、一つは弟、一つはジヨンと姉が分け合うのが当然だった。両親からもさしたる関心は払われず、志望大学の人文学部に進んだ。 大きな葛藤は感じずに育ったが、社会に出ようとしたとたん、就職の壁が立ちはだかった。何十通
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く