地上波アナログ放送が終了し、テレビ番組をラジオで聴いていたという視覚障害者から落胆の声が上がっている。操作の難しさや費用面から地上デジタル放送対応テレビの購入に踏み切れないケースも多く、テレビ番組を聴取する機会を失ってしまったからだ。 「本当に終わってしまうんですかね」。24日午前11時59分。団体職員で点字文書の作成・校正を手掛ける全盲の江藤昌弘さん(48)は、購入から25年がたつというCDラジカセの前で、地上波アナログ放送終了時刻の正午を迎えた。 江藤さんはこれまで自宅にいる間、ラジカセからテレビ番組を流して聴いていた。一人暮らしの不安をかき消すためだ。 ラジオ局の放送も聴くが、テレビ局ならではの番組も多い。サッカー日本女子代表の活躍も、ラジカセで試合を“聴いた”。同僚との共通の話題を得る機会にもなっていた。 正午を回ると、スピーカーからは放送終了のメッセージとBGMが延々と繰
アナログから地デジへ―。歴史的な一日となった24日、コールセンターには問い合わせが殺到した。ただ技術的な内容が大半で、心配された「地デジ難民」からのSOSなど大きな混乱はほとんどなかったという。一方、ラジオでテレビ音声が聴けなくなり、多様な番組を楽しむ機会を失った視覚障害者からは落胆の声が上がった。 川崎市高津区などにある総務省の地デジコールセンターへの電話件数は、24日午後6時までに9万8千件に上り、7月の1日平均約2万4千件を大きく上回った。NHKや民放各局にも多くの問い合わせがあった。 同省神奈川県テレビ受信者支援センター(デジサポ神奈川)への問い合わせは、前日の1・7倍増。午後7時までに230件を超えた。チューナーなど関連機器の取り付け方法やリモコン操作についての相談が多かったという。 電波の受信状況の確認など訪問作業が必要となるケースも想定し100人態勢で臨んだが、担当者は
地上デジタル(地デジ)放送への完全移行で、1953年に始まった地上アナログ放送が24日、幕を閉じる。テレビが見られなくなる「地デジ難民」発生が懸念される中、全国最大規模の難視聴世帯があるとされた鎌倉市では、“滑り込み”で対応を終えた世帯も。家電量販店には、対応テレビや周辺機器を買い求める客が相次いだ。 起伏に富んだ地形や景観上の理由から、難視聴世帯数が全国最大規模とされた鎌倉市。中継局設置に加え、難視聴世帯への戸別訪問を繰り返し対応を呼び掛けた結果、「ほぼ全世帯で地上デジタル放送が見られる状態になった」(総務省神奈川県テレビ受信者支援センター=デジサポ神奈川)という。24日の“Xデー”に間に合った世帯からは安堵(あんど)の声が聞かれる。一方で、新たな負担となるケーブルテレビ(CATV)利用料などへの不満も漏れた。 昨年末の時点で同市で難視聴とされた約7800世帯のうち、中継局設置などで
アナログテレビ放送が終了する7月24日を前に、カー用品店でも地上デジタル放送に対応したカーナビや周辺機器の売れ行きが好調になってきた。テレビ放送は天気や緊急時の情報を得る手段としても有効とあり、買い替えを急ぐドライバーが増えている。 24日以降もカーナビのナビゲーション機能自体は働くが、機種によってはテレビ放送が見られなくなるケースもある。このため、地図情報の更新と併せ買い替える人や、地デジ化の費用を抑えるために外付けチューナーで対応する人もいるという。 県内35店舗を展開するオートバックスセブンの「SA246江田店」(横浜市都筑区)では、地デジ対応カーナビが、エコカー補助金制度などで好調だった昨年と比べ、制度が終了した今なお同程度の売り上げを維持している。 また既存のカーナビに取り付けることでデジタル放送を視聴できるようになるチューナーと呼ばれる機器に至っては、前年同期の5倍以上の
地上デジタル放送への完全移行まであと3日となった21日、全国から視聴方法に関する相談を受け付けている川崎市高津区の総務省地デジコールセンターが報道関係者に公開された。 東京・新宿のコールセンターと合わせて計1200人の相談員が24時間態勢で勤務している。川崎では放送局やメーカーの技術職OBらがアンテナや機器の設置方法など専門的な相談に応じていた。 相談件数は1日平均3万件に及ぶという。同センターは、アナログ放送が終了する24日正午から相談件数が数倍に増えると見込んでおり「電話が通じなくても、時間を置いて電話してほしい」と呼び掛けている。 県テレビ受信者支援センター(デジサポ神奈川)によると、県内386万世帯のうち99%以上の世帯が対応済みといい、「未対応世帯を可能な限りゼロにする」と話している。 総務省地デジコールセンター電話0570(07)0101。
東京電力福島第1原発への放水活動を支援するため、川崎市消防局の緊急消防援助隊12隊36人が24日朝、現地へ向けて出発。同日昼、原発から約40キロ離れた現地対策本部に到着した。 援助隊の出発式は、市消防局総合庁舎(同市川崎区)で行われた。指揮をとる冨岡隆統括部隊長(59)は「与えられた任務をしっかり遂行し、一丸となって未来のために全力を尽くしたい」と決意を述べた。 派遣されたのは、市内8消防署から選抜した、特別高度救助隊員を含む35歳から59歳の36人。東京消防庁が設置した高所放水車などを使い現体制での活動を維持するが、派遣した大型高所放水車や特殊災害対応車はバックアップ用として現地対策本部で待機する。 隊員は26日まで作業に当たり、名古屋市消防局に引き継ぐ予定。 ◇ 22日に現地入りした横浜市消防局の緊急消防援助隊(9隊67人)は24日午後、川崎市消防局との引き継ぎを終え任務を終
東日本大震災の発生に伴い、被災地での救難活動などに当たっている川崎市消防局に対し、市民から温かい激励が寄せられている。24日は福島第1原発の事故現場で放水作業を行う緊急消防援助隊が川崎を出発したが、隊員は市民から届けられたお守りを持って福島に向かった。 市消防局によると、緊急消防援助隊は地震が発生した11日から21日までにのべ21隊、100人仙台市などに派遣され、24日は、原発での作業のため、12隊36人が派遣された。 これまでに市民からの激励メールが6通、電話が10件以上寄せられているほか、「頑張ってください」と直接来庁する市民もいるという。 届けられたメッセージは、「普段皆さんに守られて住んでいると思うと、本当に心強く、感謝の気持ちでいっぱいになります」(宮前区の女性)、「地震被害の映像を毎日見ていて支援に行きたい気持ちがあふれています。皆さんの福島での活動について心から無事を願
東日本大震災の影響による福島第1原発の放射能漏れなどを心配して、横浜市内の小中学校では、保護者判断で“疎開”していく子どもが相次いでいる。子どもを西日本方面の実家へ預けるケースが多いが、外国籍、もしくは外国につながる子の場合は、両親の祖国に一時帰国させたりする家庭が続出している。 港北区の市立小学校では、疎開をした子どもが10人近く。「放射能の影響や余震を心配して、母親の実家がある九州や関西などへ子連れで帰省しているようだ」と同校養護教諭は言う。 磯子区の市立中学校でも、2人が保護者とともに田舎へ帰省。泉区の市立小学校も数人が、離れて住む祖父母のもとへ預けられ、登校していない。 南区の市立小学校では、海外へ一時帰国する子どもが続出。同校には、中国や韓国、フィリピンなど、計16カ国に関係する計約200人が在籍。なかでも、中国籍や中国につながる子どもたちは約120人と日本の次に多い。16
外国の船会社がクルーズ客船の日本寄港を取りやめる動きが相次いでいる。福島第1原子力発電所の事故で「放射能を不安視する声が根強い」(代理店)ためという。 4月1日に横浜港に寄港予定だった英国船籍の「サン・プリンセス」(7万7499トン)は、日本寄港自体を取りやめた。国土交通省によると、悪天候などを理由としたキャンセルはあるが「放射能が理由とは聞いたことがない」。 横浜市によるとキャンセルは2隻目で「乗客は観光客なので、より慎重になっているのでは」(港湾局)とみる。客船2隻がキャンセルした神戸港も「各国が日本への渡航自粛などを呼び掛けていることも影響しているのでは」(神戸市みなと総局)。中国人観光客向けの寄港地として人気が高かった博多港でもキャンセルが相次いでいる。 日本の客船の外航クルーズはほぼ予定通り。横浜港からは4月3日に「飛鳥2」、11日に「にっぽん丸」がそれぞれ世界一周クルーズ
「大変な国難だが、何十兆円かかろうとも完璧に復興すべきだ。世界に『日本はここまでやれる』と示すチャンス」。横浜商工会議所の佐々木謙二会頭(ニッパツ会長)は22日の会見で、東日本大震災の被害復興の必要性を強調した。当面は日本商工会議所の傘下で義援金集めに力を注ぐとしている。 地元企業の現状を「部品や材料メーカーは大きな被害を受けている。自動車産業はストップしたままだ」と懸念。東京電力福島第1原発の事故による計画停電の影響については「休んでいる火力発電所を緊急に補修して急場をしのぐしかない」と話した。 横浜商議所は震災に関する相談窓口を設けて地元中小企業に対応中。これまで被災地と取引のある企業や、計画停電で営業が難しい飲食店などから相談が寄せられているという。
福島第1原発の事故の影響で15日、県内でも通常の8倍程度の放射線量が測定された。だが健康被害を及ぼすレベルではなく、専門家は「過剰反応は禁物。正しい知識を持ち冷静な対応を」と注意を呼び掛けている。 「数百キロ離れた場所から風に乗って流れてくる放射性物質は高濃度ではなく、現段階での健康被害は考えられない」と強調するのは、放射線災害医療に詳しい前川和彦東京大学名誉教授(救急医学)。「実被害より影響が大きいのは、社会不安」と指摘する。 万一、現在は原発の半径30キロまでにとどまっている「屋内待避」が拡大したらどうするか。前川教授は、「なるべく外出を避けること」と説明する。近代的な家屋は密封性が高く、雨戸を閉め換気扇を止めれば放射性物質は侵入しにくくなるという。 どうしても外出しなければならない時の対応策は「花粉症と同じ」で、マスクやゴーグル、帽子に手袋など肌の露出を減らす服装にし、帰宅後は
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