昨年の今ごろは、アマゾン対アシェットの「価格戦争」の話題で間断するところがなかった。暮れに大手5社の主張が反映された新契約が締結されて以来、大手5社のE-Book価格は「改訂」され、5割近くも跳ね上がった。出版社の勝利、と思った人は多かった。米国でもメディアは「値上げ」以後をフォローしなくなった。しかし戦争は終わっていなかった。 戦線はE-Bookから移り、今度は紙が炎上 ヒューゴ賞作家クリス・ラッシュ(Kristine Kathryn Rusch)は8月5日、自身のブログで、人々の関心から消えた「価格戦争とその犠牲者たち」について書いた。彼女は複数のジャンルをこなすほか、編集者でもありブックビジネスについての知識は深く、分析も鋭い。この文章は読むに値するし、読みやすく難解でもないが、とても長く、論点も多いので要約はしないでおこう。 彼女は、ビッグファイブの新刊E-Book価格が激変した