最後にワタミのケースを見てみましょう。同社は外食事業を中核にしながらも、介護や食事宅配事業なども手掛けているのは、多くの方がご存知でしょう。外食事業としては、ファミレスなど食事中心の業態も一部展開していますが、その大多数は居酒屋です。そして、同社の12年3月期の各事業別実績を見ると、大変興味深いことが浮かび上がります。 【外食事業】 売上高:837億円/経常利益:33億円 【介護事業】 売上高:284億円/経常利益:38億円 【宅食事業】 売上高:262億円/経常利益:22億円 売上規模で見れば、依然として外食事業が主体であるのは間違いありません。しかし、利益ベースで見ていくと、介護はすでに外食を上回っており、売上規模が外食の3分の1以下の宅食も、利益では外食の3分に2に迫っているのです。この収益構造からは、ワタミはすでに「居酒屋の会社」ではなくなっていることがはっきりと見て取れます。 大