前にも触れた事がありますが、池澤さんは私の高校の1年先輩で大学の理科系から文学に転じた人です。近頃世界文学全集全30巻を個人で編集しました。 上記の連載物は全て切り抜いて保存してありますが、やはりエッセイの中に理科的発想が散見されます。そして「キラッと」光る箇所があります。 今回「ツリー・オブ・ライフ」なんて言葉が出て来て、何やら演劇か何かの批評かと思ったら、そうした題の映画の事だそうです。池澤さんはその内容を一通り紹介しています。それによりますと、あまり波乱の見られない作品のようですが、登場する俳優の演技がすばらしいとの事です。途中までは深刻な場面もありますが、最後はハッピー・エンドになっているそうです。 そして話題が変わり、この監督が抱き、掲げた聖書の箇所が引用され、池澤氏もその内容を反芻し、考え込んでいるようです。 それは難解とされる旧約のヨブ記です。主の御前に正しく歩んでいたヨブは