深刻な原発事故の拡大を防ぐべく、「総力戦」が日夜続いている。聞こえてくるのは「作戦は成功」という大本営発表ばかりで、冷静な評価や高度な専門知識に支えられた今後の見通しが示されることはない。その役割を果たすべき組織、原子力安全委員会(班目春樹委員長)は、この間ずっと「行方不明」なのだ。 安全委員会は日本の原子力安全を統べる元締めである。行政組織上は内閣府の審議会のひとつで、経済産業省の原子力安全・保安院や文部科学省など役所の行なう安全規制を再チェックし、事業者と行政を両方監視する。必要なら政府や自治体に勧告を行なう権限を持つ。 その元締めが、東電福島の深刻な事故が判明してから10日経っても、一度も記者会見をしていない。班目委員長が12日に菅直人首相と同道して現地訪問したこと、職員を現地対策センターに派遣したことなどは、ホームページに記されているが、国民に向けての情報発信はゼロである。 何ゆえ
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