前回は、主に「データベース統合」の観点から、Oracle Database 12cで新たに採用された「マルチテナント・アーキテクチャ」がもたらすメリットについて紹介した。今回は、このアーキテクチャによって、旧来のDB運用管理の方法論が、どう効率的になるのかについて説明していこう。 ここで少しだけ復習をしておこう。マルチテナント・アーキテクチャは、1つのデータベース上に、複数の仮想的なデータベースを作成して稼働を可能にする機構だ。構成にあたっては、新しい型のデータベースである「マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)」を作成し、その上に「プラガブル・データベース(PDB)」を差し込んで稼働させるスタイルになる。 CDBではメモリやCPUといったシステムリソースを管理し、その上で稼働している複数のPDBで共有する。そのため、一般的な仮想化機構を使った仮想マシンによる方法よりもオーバーヘ