明るい話題が少なかった有機EL関連業界で,最近日本発の二つの良いニュースがあった。 一つは,カシオ計算機と凸版印刷が有機ELディスプレイの量産化を目指し,中小型ディスプレイ事業に関して協業するというニュースである(Tech-On!関連記事1)。カシオは有機ELディスプレイの低コスト化にこだわり続けており,2004年の学会「SID」ではアモルファスSi(a-Si)TFTとインクジェット技術で形成した高分子型の有機ELディスプレイを発表している(同関連記事2)。もしこの技術をベースに量産化できれば,非常に画期的なことである。2社の英断に拍手を送るとともに,事業が成功することを願ってやまない。 もう一つは,コニカミノルタが有機EL照明用のパイロット・ラインを建設するというニュースである(同関連記事3)。フレキシブル基板を採用し,塗布型のロール・ツー・ロール方式で量産を目指すという。技術的な難易度
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