ワン・イーは、同じセリフを何度となく聞かされてきた。「どうして中国の英会話教室はあんなに高価なのか」「どうしてなかなか上達しないのか」という疑問だ。 グーグルでプロダクトマネージャーを務めたことのあるワンは、この問題に取り組もうと決めて「リウリシュオ(流利説)」という名のアプリを作り始めた。これは標準中国語で「流暢に話す」を意味している。
大企業の若手社員(30代が「若手」なのかはさておき)の方々がこのような取り組みで決起なさったのは素晴らしいことだと思います。何かの結果に結びつくと良いですね。 一方で、「日本」というのをあまり強調しすぎない方が良いのかなと。消費者にとってはどの地域発の技術やサービスであれ、良いものは良いのであって、国や地域がどこであれ関係ありません。「神戸牛」のように、地域そのものがブランド化しているのであれば大いに喧伝すれば良いと思うのですが、そうでないと単に供給者のロジックの押し付けになりかねません。供給側のロジックを中心に据える「天動説」的な世界観は、大企業を衰退させる最大の要因ではないでしょうか。 一括りに「日本の大企業」と言っても、素晴らしい企業は素晴らしく、ショボい企業はショボいというだけなのかなと。 とはいえ、「Japan」を旗印に掲げた方がメディアやシニアへの受けが良いという、運営者側のし
保育園は良心的に子ども目線で運営すると、もうかるものではないんだけど…と思い読み始めたら、ファミリアの園が月22万円。それくらい払うなら、大丈夫かも。 補助金なしで運営しようと思ったら、保護者自己負担が大卒初任給くらいではすみません。子どもがストレスためない程度の広さ。安全確保できる程度の人員。 今年春、都内で死亡事故を起こした私立園は高級ホテルなどで一時保育を手掛ける企業が運営していました。泣く子を抱き上げず、昼寝時は別室に寝かせておいて呼吸チェックせず2時間以上、心肺停止で1歳児が亡くなっています。 確かに書類仕事などはビジネス的な効率化が生きると思いますが、子どもと直接接する部分は、経営視点がきわめて馴染みにくい世界であることを、知った上で参入してほしいと思います。
2016/1/30 いよいよ始まるプログラミング教育 フィンランドでは2014年にキウル元教育通信大臣が、プログラミングを義務教育に含めることを発表してから2年という月日が経つ。今年はいよいよ、10年に1度の教育カリキュラムの改正が施行され、8月の新学期からはプログラミングが、1~9年生の算数・数学のカリキュラムの一部に導入される。 男の子も女の子も、パパもママも、夢中になって楽しんだプログラミング教育。「これが学校で子どもの目線で教えてもらえるなんて素晴らしい」と期待に満ちたコメントが会場のあちこちで聞こえた(写真:著者提供) フィンランドといえば、2003~09年に経済協力開発機構(OECD)の「生徒の学習到達度調査(PISA)」で、世界トップクラスの学力を示してきた国。その秘訣は、教科書はもちろん給食や文房具に至るまですべて無償の義務教育や、9割以上の学校が公立で、教師がすべて修士号
1977年東京都生まれ。早稲田大学大学院修了。株式会社ベネッセコーポレーション等を経て、「受験サプリ」「勉強サプリ」等を展開する株式会社リクルートマーケティングパートナーズにて教育政策を担当。財団法人International Women’s Club JAPANにてSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育推進委員長を務める。超党派国会議員連盟「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー。東洋経済オンラインにてIT教育の連載を持つ 予測の3つのポイント ・米国では民間発行の修了証が効力を持ち始めている。 ・育休明けの女性社員向けにオンライン学習を用意する企業が増加。 ・2016年から全国18の大学・短大で「情報」が入試科目に。 民間発行の修了証が機能し始めた 2015年あたりから、米国のテクノロジ
2015/12/20 年末年始の時間のあるときにこそ、読書に取り組もうという人も多いだろうが、果たして何の本を、どのようにして読めばいいのか。そんな疑問に答えるべく、「AERA」とNewsPicksの共同企画として、5日連続でムック『AERAの1000冊』の人気記事を紹介。今回は、読書習慣を助けるさまざまな「ツール」について、コラム形式で掲載する。 第1回:【ヤマザキマリ×磯田道史】歴史は“趣味”ではない。“実用品”だ 第2回:資本主義は終焉を迎えたのか。読書を通じて「その先」を考える 第3回:池上さん並みの教養が身につく? 進化する「教科書」最前線 最近、仕事が忙しくて本を読んでいない。読むべき本、読みたい本は山積みなのに──そんな悩みを解消し、上手に読書の習慣化を助けてくれるツールを紹介しよう。 1. 通勤時間を上手に利用! 読書ができないのが時間の問題なら、気軽に始められるところから
2015/12/7 クリエイターのエージェント会社コルク代表、そしてNewsPicksのプロピッカーでもある佐渡島庸平氏は南アフリカで学生時代を過ごし、灘高、東大、講談社を経て起業した、業界でも注目の若手経営者だ。 『宇宙兄弟』などを大ヒットに育て上げ、現在は作家エージェントとして出版の理想の姿を追い求めている。彼が意識しているのが「仮説を先に立てる」ことだという。情報を先に集めて仮説を立てると新しいことはできない。先に大胆な仮説を立て、それを全力で実現していく。そうすることで革命は起こせるのだという。 その佐渡島氏の思考が詰まった初の著書『ぼくらの仮説が世界をつくる』が12月11日に発売される。その3章「インターネット時代の編集力―モノが売れない時代にぼくが考えてきたこと」を本日から5日連続で無料公開する。 どうすればいい作品ができるのか 講談社で編集者をしているときのぼくは「どうすれば
やるやると言われつつ結局出てこなかったAppleのテレビ。セットトップボックスとしては市場で存在感を出してきたが、TV市場が完全に値崩れしてしまったために大型液晶テレビには価値を見出さず製品化しなかった。これからも多分しないのだろう。 Appleには計画検討だけで終わるプロジェクトが少なからずある、ということを示してると言えるが、ではクルマはどうか? クルマとしての形を全て作り上げるとしたら、Appleの持つ、製品とユーザビリティへのこだわりを考えたら600人では到底足らないだろうとは思う。 車室空間としての乗り心地、運転経験としてのユーザビリティ、衝突安全性、その他様々なノウハウが詰まった自動車生産は生半可な形で参入したら手痛いしっぺ返しを食らうだろう。そんなに簡単ではない。Appleがどこまでやれるのかな。どこかの工場ごと買収して進めないと話が前には進まない気はする。
マンガHONZが総力を結集して、ビジネスに役立つマンガを選びました。最近は、Pixiv の片桐さんが『マネーの拳』を社員にオススメしたり、スクエアと合併する前のエニックスで『シャカリキ!』を必ず読むという習慣があったという話を聞くと嬉しくなります。フィクションから自分に役立つ何かを見つけたとき、不思議と腹に落ちてくる感じがあるんですよね。
かつての花形職業を優秀な学生が敬遠する 週末はつぶれ、パワーポイントで延々と資料をつくり、マンハッタンの高層ビルで徹夜──。それが、ハーバード・ビジネススクール(HBS)を卒業してウォール街で働く人々の勲章だった。しかし最近は、「ウォール街以外で」高額の収入を手にして、しかも健全な生活を送ることがステータスになっている。 「かつては『8カ月連続で1日21時間、週7日働いている』と自慢していた」と、キラン・ガンジーは言う。HBSの今年の卒業生は、彼女も含めて多くの人がIT業界を選んでいる。 「今は『午前9時から午後5時まで、給料はすこぶるいいし、楽しく暮らしている』という控えめな自慢になった。オフィスは野菜ジュースが飲み放題、有機栽培のアイスコーヒーはいつもいれたて。生活の質が一番だから」 格好いいスタートアップが億万長者を生み出すシリコンバレーの魅力に、リスクとコストを減らせという圧力にあ
テック業界と昔の金融業界の意外な類似点 2013年にバンク・オブ・アメリカで過労のインターンが死亡したとき、銀行業界は激しい批判にさらされた。このときにはウォール街の過酷な労働環境が、テクノロジー業界のそれと対比された。 テクノロジー業界では、ありとあらゆる手を尽くして従業員に快適さを提供していたからだ。しかし今日では、巨大テクノロジー企業で働くことは、大手金融機関で働くことと同様に過酷であるという証拠が示されてきている。 アマゾンだけではない? ニューヨーク・タイムズは先頃、アマゾンの企業文化についての長い暴露記事を掲載した。記事の中で、ある従業員は社員が泣き崩れることが頻繁にあると言い、別の人物は社員が「アマボット」(アマゾンのロボット)に変えられてしまうと話した。 記事によると、がんや流産など、ほかの人ほどハードに働けなくなるような問題を抱えた人たちは、評価が下がって会社から締め出さ
人生の“再起動”を賭けて ポール・ミントン(26)は大学を卒業後、ウェイターとして働いていたが、これではいけないと常に思っていた。 大学で数学を専攻していたミントンは、コンピュータプログラミングとデータ分析を学ぶ3カ月のコースを受講することにした。ウェイターとしての年収は2万ドルだったが、昨年、Web関連のスタートアップ企業にデータサイエンティストとして入社すると、初任給は10万ドルを超えた。 「入社してすぐに10万ドル以上なんて、本当に驚いた」と、ミントンは言う。 ミントンのようなケースが最近増えている。ポーカーのプレーヤーから事務職、バリスタまで、あらゆる職業の人々が過去のキャリアを捨て、ブームに沸くIT業界で未来をつかもうとしている。IT業界を取り巻く潤沢なマネーは、投資家や起業家だけでなく業界で働く幅広い人材にも注がれており、特にプログラミング言語を操ることのできる人々は恩恵を受け
面白い記事だ。「経済的格差が、子供の学力の格差を生む」は、間違いだ。「経済的格差」よりも「親の教育熱心の度合いの格差」が重要だ。経済的格差が子供の格差の要因と考えると、解決策が補助金となる。だが、そのお金が親のパチンコに使われては、全く問題は解決されない。これが、僕の持論だった。その僕の仮説を後押しする記事だ。↓ 「収入差だけでなく、それ以上に保護者の文化嗜好の差の影響が大きいのではないだろうか。最近、子どもの学力格差の問題が取り沙汰されているが、家庭の経済資本だけでなく文化資本も要因となっていると考えられる。例えば、通塾費の援助のような経済的支援だけで、簡単に解決する問題ではない。」 では、どうすればいいのか?パチンコが趣味の親以外の人々から、例えば教師や友達から、子供達が学ぶことの重要性を学ぶほか無いと思う。親は選べなくても、義務教育課程で他からの刺激を受けることは可能であろう。
マルチリンガルであることと、人を説得し動かす能力は別のもの。という前提で話さなければなりませんが 人を動かすようなトレーニングができるかどうかという観点で考えれば、日本でいくら教育を受けても、ほとんど効果がないでしょう。 「人を言いくるめる能力」や「主張をさわやかに通して、敵対する人も自分のペースに巻き込む」というような能力を正規の学科として、学校で教えてもらうことはありませんし、そもそも教員がその能力を持ちません(お持ちの方もいるとは思いますが、少なくとも、それを持っているかどうかや、それを系統立てて教える能力を、教員採用試験で吟味されることはないでしょう) 戦後教育だけを批判する声をよく聞くように思いますが、優れた一兵卒を作るための教育、という軸は一貫して古来からブレてはいないのでは。優れたリーダーを作るための教育は、この国ではいまだかつて行われたことはないのだと思います。優れた中間管
2015/8/5 横浜F・マリノスにとって苦渋の決断だった。世界に誇る練習施設「マリノスタウン」からの撤退を発表したのだ。来年3月をもって閉鎖される。Jリーグ随一の施設からの撤退に、「何とかならなかったのか」との声は多い。だが責任は果たしてマリノスだけにあるのだろうか。マリノスを長年取材してきたスポーツライターの二宮寿朗が撤退問題に迫る。 Jリーグで一番のクラブハウス 世界に誇れる「クラブハウス」が、横浜にある。 Jリーグの名門、横浜F・マリノスの練習施設「マリノスタウン」は、横浜駅から徒歩圏内となる横浜みなとみらい地区の一等地にあり、約4万5000平方メートルの敷地内にはクラブハウス、天然芝2面、人工芝2面のグラウンドが並ぶ。 3階建てのクラブハウス内はトレーニングルーム、メディカルルーム、ミーティングルームなどチームが必要とするものはすべてそろっており、選手のために流水プールや大浴場、
2015/4/24 Weekly Briefingでは毎日、ビジネス・経済、メディア・コンテンツ、ワークスタイル、デザイン、スポーツ、中国・アジアなど分野別に、注目ニュースをピックアップ。金曜日は、デザインに関わるニュースをコメントとともに紹介します。 データ・サイエンティスト、インターフェース・デザイナー、グロース・ハッカーなど新しい職種が生まれるときは、キャリア転換の大きな機会です。従来の職種でカバーしていた仕事が、中途半端な知識や業務内訳では、成果につながらないほど専門化したとき、新職種は誕生します。 新職種は、Webデザイナーから派生したインターフェース・デザイナーのようなスピンオフ型、それまでも専門職として存在したものが名称新たにして、仕事内容が高度化されたアップグレード型、いくつかの職種の一部が合体した守備範囲の広い統合型があります。 新職種誕生の黎明(れいめい)期は、ニーズに
2015/4/27 ビジネス書大賞が発表。大賞は『ゼロ・トゥ・ワン』 2015年4月27日午前10時、1年間を代表するビジネス書を選出し、表彰する「ビジネス書大賞2015」が発表された。同賞は、2009年に創設された日本初のビジネス書アワードだ。 6回目の今回は、ビジネス書に造詣の深い企業経営、書店員、書評家、メディア関係者、アカデミーヒルズライブラリー会員、千代田区立図書館利用者に加え、「NewsPicks」のピッカー(読者)も「投票者」に加わり、集計の末、上位8作品をノミネート作に選定。そこから、さらにベスト3に絞り、投票を行い「1位=3点、2位=2点、3位=1点」で順位を決定、最終選考会にて各賞を選出した。 ちなみに、審査対象は2014年1月から2014年12月にかけて刊行されたビジネス書で、新書、文庫は書き下ろし作品のみ。フィクションは対象外だが物語形式のビジネス書は可としている。
2015/4/10 雪国から好選手が生まれないという野球界の常識は、もはや過去のものになろうとしている。花巻東高校から菊池雄星(西武)や大谷翔平(日本ハム)が現われ、後輩たちがそれに続こうとしている。その立役者が同校野球部の佐々木洋監督だ。佐々木が起こしたみちのくの野球革命とは──。 花巻東高校野球部の佐々木洋監督は、受験で訪れた中学生に「一般的に本を読みなさいと言われますが、そもそもなんで読まないといけないと思いますか?」と質問する。大事なのは、「なぜ本を読む必要があるのか、考えること」(写真:中島大輔) カット打法が生まれた背景 菊池雄星や大谷翔平という大物選手を輩出してきた花巻東高校野球部は、2013年夏、「ダーティー」なイメージで世間の注目を集めた。 「甲子園でお騒がせした、千葉翔太という小さい選手がいます」 同校野球部監督の佐々木洋にインタビューしていると、少々聞きづらい話題を自
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