2001年9月11日に、ワシントンとニューヨークで、そしてペンシルベニアの荒野でも、乗っ取った飛行機を自爆させ、米国民合計3000人近くを殺した9.11同時多発テロの首謀者がついに抹殺されたとして、米国の官民が歓声を上げたのだった。 この反応は日本とは異なる。「アルカイダ」という国際テロ組織の最高指揮官であるビンラディン容疑者に奇妙な同情や理解を示す大手新聞などが存在する日本とは180度違って、米国では保守もリベラルも、民主党も共和党もみな一致して、ビンラディン容疑者の死を対テロ戦争の勝利だとして歓迎したのである。 しかし、オバマ政権が公表したビンラディン追跡と射殺の作戦は、驚くほど大胆に見える一方、不可解なナゾに包まれた点や変な食い違いを見せる点があった。 対テロ戦争は日本も決して無関係ではない。国際テロからまったく無縁という国は、今の世界ではほとんど存在しないと言えよう。その上、たとえ