欧米諸国では、ガソリン車を避けて電気自動車(EV)を積極的に普及している。モータージャーナリストの岡崎五朗さんは「この『EVバブル』ともいえる状況には、重要な問題点が欠けている。欧州の真似をすれば、日本はますます貧しい国になる」という――。 【写真】杉山大志氏(編集)、川口マーン惠美氏、掛谷英紀氏、有馬純氏、他、共著『「脱炭素」が世界を救うの大嘘』(宝島社新書) ※本稿は、杉山大志(編集)、川口マーン惠美、掛谷英紀、有馬純ほか『「脱炭素」が世界を救うの大嘘』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。 ■EU各国は「EV一本足政策」に転換 2021年7月14日。EUの行政執行機関である欧州委員会が、2035年にハイブリッド車を含むエンジン搭載車の新車販売を禁止する「草案」を提出した(※)。2035年と言えば、わずか14年後。 次のクルマはエンジン付きが許されるが、その次に買うクルマはEVかF