息子の同級生の母たちにばったり出会うと、「そろそろやな」、「また行事が終わったな」と言い合うのが最近のお決まりになっている。長い人では保育園時代からの付き合いであるから、十年を超えて、互いの子どもの成長を見守ってきた。まだ歩くこともままならない乳幼児の頃から知っている子どもたちが、来春には小学校を卒業する。これは、我々母親たちにとって大きな区切りのようなものだ。いや、他の人たちがどれだけそう思っているか定かではないが、なんとなく身構えているのはわかるし、少なくとも私にとっては、とんでもなく大きな区切りなのだ。 確かに、保育園を卒園する時にも、万感の思いはあった。初めての育児に悩み、疲れきっていたあの頃は、保育園の先生のひと言や、子どもの咳やくしゃみや発熱にいちいちビクビクしていたものだった。つまり、あの頃、私たちの誰もが新米の母親であったのだ。保育園の卒園は、そんな新米だった私たちが、育児
40歳になるまでにいろいろ「やめた」。必要なのは、未来を見据えた諦める力と、幾許(いくばく)かの経費。結果として手に入れるのは、したくもないのに続けていた物事によって奪われていた、本来は自分のものであるはずの、自由な時間。 傍目(はため)には「何もしていない」と見える時間の余白、ノリシロがないと、私はまともな社会生活を送れない。同僚が息抜きのおしゃべりをしている間、一人だけじっと黙っているのも、地下鉄で行ける場所へタクシーで急行するのも、あるいは車を拾うべき距離をわざわざ遠回りして徒歩で帰るのも、わずかな隙間を縫って「何もしない」時間を確保するためであり、そうした充電時間を確保してようやく、私は人間社会と足並みを揃えることができる。 時間が惜しい、時間が惜しい、自由な時間がまったく足りない、と嘆くと、たまに「泳ぎ続けていないと死んでしまうワーカホリックな人」だとか、「要領と手際がよく、もの
鴻上尚史の人生相談。「今の友達グループに、本当の友達はいない」と相談者。自分はいつも最下層扱いと下を向く相談者に鴻上尚史が提案した「おみやげの渡し合い」とは? 【相談10】本当の友達がほしいです(相談者・17歳 女性 あさひ) 女子高に通っている高校2年の17歳です。相談は、学校があまり楽しくないことです。 2年になって、5人の仲良しグループに入りました。授業の移動もランチも、みんな一緒です。ときどき、放課後にケーキの食べ放題にいったりもします。夏休みもいっしょに海に遊びにいきました。 でも、私は5人のなかで、いてもいなくてもいい感じなんです。遊びの決め事とかあっても私に相談なしに決まっていることもよくあります。夏休みの遊びの計画も知らないうちに先に日程も決まって、「行けるでしょ?」っていう感じでした。4人のうち誰かが話しはじめても、私の方を向いて話すことはほとんどありません。私の意見を聞
モロッコの首都ラバトの学校の授業風景(2010年9月27日撮影、資料写真)。(c)ABDELHAK SENNA / AFP 【11月11日 AFP】モロッコ各地で9日、政府が年間を通じてサマータイム(夏時間)を採用すると決定したことに抗議して、各学校の生徒たち数千人がデモ行進したと、現地メディアが伝えた。生徒らの抗議デモは3日連続。 モロッコ政府は先月26日、冬時間を廃止してグリニッジ標準時(GMT)プラス1時間の夏時間を通年で採用すると決めた。しかし、各新聞やソーシャルメディアへの投稿などによると、冬時間が廃止されたために子どもたちは夜明け前に起きて登校しなければならなくなった。抗議デモに参加した生徒たちは「恥ずべき決定」や「茶番だ」などと非難の声を上げた。 ■急な決定に怒りと混乱 国営マグレブ・アラブ通信(MAP)によると、モハメド・ベン・アブデルカデル(Mohammed Ben Ab
横浜市の団地の部屋で同居する76歳の母親の遺体を遺棄したとして49歳の長男が逮捕されました。警察によりますと、家族は逮捕された長男について「小学生のころから会話をしなくなった」と話し、長男は調べに筆談で応じ「死亡したのはわかったが、何もできなかった」などと説明しているということです。 4日午後、部屋を訪ねてきた中元容疑者の妹が、佳代子さんが布団の上で死亡しているのを見つけたということです。 中元容疑者は母親と2人暮らしで、警察によりますと、妹は「小学生のころから会話をしなくなり、最近はひきこもっていた。母親が買い物などをして面倒をみていた」などと説明しているということです。 警察によりますと、中元容疑者は調べに筆談で応じているということで、容疑を認め、「先月、台所で倒れた母親を布団に寝かせていた。死亡したのはわかったが何もできなかった」と説明しているということです。 警察は詳しいいきさつを
今週のはじめ、ツイッターのタイムラインに不思議な画像が流れてきた。 バドミントンのラケットを持つ女性の写真を中央に配し、その上に 障がいは言い訳にすぎない。 負けたら、自分が弱いだけ。 という二行のキャッチコピーが大書してある。 写真の右側には 「バドミントン/SU5(上肢障がい) 杉野明子」 と、写真の人物のプロフィール情報が記されている。 東京駅に掲出されていたポスターで、制作は東京都だという。 一見して困惑した。 五輪パラリンピックを主催する自治体である東京都が、公的機関による障害者雇用の水増しの問題がくすぶり続けているこの時期に、あえてこの内容のポスターを制作して世に問うた狙いが、どうしてもうまく飲み込めなかったからだ。 本題に入る前に、「障害」「障がい」というふたつの表記について、私なりの基準を明示しておきたい。 この件については、2013年の当欄に書いた記事の中で比較的詳しい説
ですが、世の中に流通している商品は、保健機能食品ではない〝いわゆる健康食品〟がいまだに大多数を占めています。例えば、Amazonで「健康食品」をキーワードに検索すると1万件以上の製品がヒットします。 一方、「特定保健用食品」では118製品、「機能性表示食品」は618製品でした(検索日:2018年10月10日、カテゴリー:食品・飲料・お酒)。 ほとんどの消費者は、健康食品を保健機能食品と勘違いしているのではないでしょうか。そんな現状も踏まえ、健康食品に関するトラブルがあとを絶たない実態を前回のコラムでとりあげました。 ◎広告や契約、健康被害…あとを絶たない健康食品トラブル[2018.10.4] (https://www.asahi.com/articles/SDI201809281233.html) 健康食品に関するトラブルは以下の三つに大きく分けられます。 ▼健康食品による健康被害(副作用
茶色く汚れた布団、血で真っ赤に染まった風呂場、大量のゴミで埋めつくされた床――。目を背けたくなる衝撃の光景だが、これ、実は「孤独死」や「ゴミ屋敷」をミニチュアで再現したものだ。 【写真】体液で赤黒く染まった浴槽、自殺現場、ゴミ屋敷などのミニチュア 制作したのは遺品整理クリーンサービスで働く小島美羽さん(26)。国内最大規模の葬儀・埋葬・供養の専門展『エンディング産業展』で展示されると、SNSなどでたちまち話題に。 「“グロい”と言う方もいれば、“本当にこんな現場があるの?”と驚いている方もいました。日本って平和じゃないですか。信じられないかもしれませんが、現実で起きていることです。これをみんなに知ってもらおうって思ったときに、写真は見せられないし、“じゃあミニチュアならどうだろう”と、最初は思いつきからのスタートでした」 予想以上の反響の多さに、とても驚いたと小島さん。今は3か月かけて3つ
「新潮45」の特集記事がまたしても炎上している。 事情を知らない読者のために、以下、炎上に至った事情を簡単にまとめておく。 今回の騒動の前段として「新潮45」8月号に、自民党の杉田水脈衆議院議員が寄稿した記事(「生産性のない」LGBTへの優遇が行き過ぎであることや、LGBTへの税金の投入を控えるべきであることなどを訴えた小論、タイトルは「『LGBT』支援の度が過ぎる」)が各方面から批判を浴びた件がある。これについては、7月の時点 で小欄でも記事を書いているので参照してほしい(こちら)。 「新潮45」今月発売号(10月号)が、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という「特別企画」を組んで計6本、総ページ数にして37ページ分の擁護記事を掲載した。 この特集記事に各方面から批判が集まった。 新潮社の出版部文芸の公式ツイッターアカウントが、「新潮45」発売日である9月18日の直後から、同編集部へ
2013年4月17日、ニュージーランドで同性婚を認める法律が成立。その国会でモーリス・ウィリアムソン議員が、あるスピーチを行った。一部を訳した。
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