(前回から読む) 阿部さんは、著書に2008年発行の『子どもの貧困』(岩波新書)があり、今年その続編となる『子どもの貧困2』(同)を上梓した。この問題に長く取り組んできている。 自分ではどうにもできないのが、子どもの貧困の深刻な点。さらに問題なのは、貧困による負の連鎖がさまざまなかたちで、その子にふりかかっていくことだ。 子どもの貧困は負の連鎖に 子どもの貧困で、まず目に止まるのが「食事が満足に与えられていない」ことである。「小中学校の養護教員や児童養護施設などから、その実態を示す声がよく上がってきます」と阿部さんはいう。 たとえば「連日、朝食を食べずに登校する児童」「給食が1日で唯一の食事だったという子」「夏休みが明けて学校に来ると、痩せている子」がいるといった事例だ。 阿部さんは現在、新潟県立大学の村山伸子教授が行っている「世帯の経済状態と食生活の関連」についての共同研究に参加している
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