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ブックマーク / totodaisuke.weblogs.jp (12)

  • はてなーの批判精神が日本のメディアを変える

    留学中、企業倫理の授業でこんなひとコマがあった。舞台はインドにあるナイキかどこかの下請け工場。多数の児童を雀の涙のような賃金で働かせている映像を見せられた。アメリカ人はこの映像に涙し、「ひどい!児童労働を行っている工場は、供給先として絶対に許してはいけない」と、得意の正義感を持ち出す。そうだそうだ。世界の市民に自由を! これに対して、インド人のクラスメイトの女性が、冷静に反論した。 「あなたたちは、実態を分かっていない。あの子たちは、工場で働かせてもらえているだけ幸せ。この仕事が無くなったら、彼女のたちの両親は、きっと彼女たちは売春か何かに出すでしょう。悲しいけど、それがインド社会の実態。 あなたたちアメリカ人の問題は、実態を知ろうとする努力をしないまま、こうやって自分勝手な正義を押し付けようとすることだ。私たちは悲しい現実を受け入れつつ、少しずつ、自分たちができる形で社会を直そうとしてい

  • 千原ジュニアとともに

    先週の日曜日(1月25日)と、来週日曜日(2月1日)放映分に、東京MXテレビ「シャインになりたい!」に出演しました。 就職活動中の学生向けに会社選びのアドバイスをする番組ということで、髪をツンツンさせて緊張しながらも、ジュニアさんの絶妙な合いの手に乗りながら、いろいろとお話をさせて頂きました。 いくつか考え、お話したこと: 留学しているか否か、資格を持っているか否かが大事なのではない。留学していなくとも成功している人はたくさんいるし、留学してもぱっとしていない人もたくさんいる。大切なのは、目いっぱい自分をストレッチさせるその過程。 キャリアは旅のようなもの。A地点からB地点にできるだけ早くたどりつくのが目的ではなく、その旅の過程そのものを楽しむべき。 就職は結婚に似ているかも。相手を選ぶ際には、お互い、目いっぱい着飾った姿を見せるのではなく、「すっぴん」「普段着」の素顔を確認して選ぶべきで

  • サブプライム危機の真犯人

    「現在の金融危機を招いたのは、返済能力がない人たちに、金融機関が詐欺まがいの強引な貸し付けを続けたからだ」といった説がまかり通っている(日だけでなく、米国でも)。しかし、金融機関をスケープゴートとする俗説が事実に基づいていないことが、最近発表された論文で明らかになっている。 "Anatomy of a Train Wreck - Causes of the Mortgage Meltdown" (Stan J. Liebowitz, Oct 2008) によれば、2006年以降のデフォルト率はサブプライムかプライムかで大きな変化はなく、むしろ重要な区別は金利が固定金利ローンか、変動金利ローンかである、としている(下記のチャートをご参照)。 確かにデータを見ていると、貸し倒れの推移トレンドは上のサブプライムローンと、下の通常のローンで差はない。むしろ、サブプライムの方は2000年~2002

    サブプライム危機の真犯人
  • サブプライム危機の話(1) CDS の誕生

    (サブプライム危機について、ワシントンポスト紙の年末の特集から、ハイライトを抜粋し、解説を交えてお届けします) 話は1987年に遡る。今回のサブプライム危機の震源地になったAIG Financial Products社は、ジャンクボンドで一世を風靡したドレクセル・バーナムのエースだった3名の人間と、グリーンバーグ率いるAIGとの38:62の合弁会社として設立された。 【ドレクセルの「卒業生」は、実は金融界で広く活躍している。金融の先端でイノベーションを生むという顔と、同時にリスクを取ることをおそれず、時には先に走りすぎてしまう、という両面の顔を持つ。】 35歳のハワード・ソシンは金融、30歳のランディー・ラクソンはコンピューターの専門家。この二人に、経済学のPhDを持ち、複雑な金融取引を設計するのが得意だったバリー・ゴールドマンが加わった。彼らはドレクセル時代に金利スワップ取引を編み出し、

  • この際、医療保険をちょっと勉強してみよう

    ここ数日、ネット上で話題にして頂いているライフネット生命。タイトルで皆さんの関心を引けるようになったら、少しは知名度があがってきた証か。 さて、色々な説明が出回っているようなので、夏の特集として、医療保険を勉強してみよう。 医療保険を上手に使いこなすには、公的な医療保障や、医療費の実態などについてきちんと理解をしておく必要がある。以下、業界人向けの研究書である「民間医療保険の戦略と課題」(堀田一吉編著)を参考書として横において、整理してみた。 ● 国民医療費は32兆円、自己負担の医療費は6兆4,000億円 国が負担している国民医療費は約32兆円。このほぼ4割の12.4兆円は70歳以上の高齢者が消費した。費用の大半は、現役世代からの所得移転によってまかなわれている。 32兆円のうち、患者の自己負担費用は4兆7,000億円に達している(2002年度)。内訳は、入院外の医療費が2.1兆円(46%

  • 生命保険 立ち上げ日誌: 気鋭のベンチャー経営者たちに学ぶプレゼン術

    Infinity Ventures Summit の目玉企画が、10~15社のベンチャーが新商品・サービスを6分で発表する、Launch Padという企画。先ほど終わったのだが、15社もの6分プレゼンを立て続けてに聞いていて、「心を打つプレゼン術」のツボが少し整理できたので、ここで共有。プレゼンを聞きながらこのメモを書いていたので、気分はジャーナリストっぽいブロガー。 1.  サビ、クライマックスから入れ たとえば映画であれば、オープニングにまず、盛り上がる「ツカミ」のシーンをもってくる。そこでいったん観客を引き込んでから、「話は10年さかのぼって」と、ペースがゆっくりのシーンに戻っていく。 楽曲をCMに使う場合であれば、必ず「サビ」の部分を使う。HBSの授業も、第一回は教授の自己紹介もコース概要の説明もなく、まずいきなりケーススタディに飛び込んだ。しかも、コース全体を通じてもっとも面白く

  • 生命保険を分かりやすく解説してみる

    1.  生命保険は安心して生活していくための「コスト」である 「コスト」であれば、一定の品質が確保されていれば、出費は必要最低限に抑えた方がよい 2.  生命保険は「住宅に次ぐ2番目に高い買い物」。月払いだからあまり意識しないが、気がつくとかなりの金額を払っているのでご注意を 生命保険文化センター調査によると、世帯平均の月保険料は4万円強。30年払い続けたら、1,000万円を超える大きな買い物。ちょっとした差が、長期では大きな差になる 3.  生命保険はいろいろ種類あるが、大きく分けて三つと理解すればよい 死亡保険: 亡くなったときの所得保障 医療保険: 入院・手術したときの保障 住宅購入、子どもの教育費、老後の生活費などのための資産形成 4.  不慮の出費については、国の公的な保険が用意されており、民間の生命保険は、あくまでこれらを補うものである、と理解しておく必要あり 死亡保険:残され

  • 10年を振り返る

    1998年入社組の私にとって、今日は社会人10周年記念!当時の自分と、10年経った現在の自分、何が変わったかを考えてみた: ● 今日の気分 当時:ワクワク ドキドキ いま:ワクワク ドキドキ ● 入社オリエンテーション 当時:話を聞いて、盛り上がる側 いま:話を聞いてもらって、盛り上げる側 ● スキル 当時:特になし。しいていえば、怖いもの知らずだったか いま:パターン認識の結果、問題解決、コミュニケーション能力など、平均的には高まったか ● 30歳の社員 当時:先輩。仕事も遊びも教えてもらう、お兄さん/お姉さん いま:若手。仕事も遊びも、一緒にする仲間。 ● 40歳の社員 当時:仕事しか教われない大先輩 いま:先輩。仕事も遊びも教えてもらう、お兄さん/お姉さん ● 何のために働く? 当時:「自分の成長のため」。常に、何かその先にある、将来のことを見据えていた いま:この瞬間を最大限楽しむ

  • 書評「ウェブ時代 5つの定理」

    を読むときは常に、"so what does it mean for me?" と考えるようにしている。今でいえば、「新しい生命保険会社の立ち上げ中」という極めて限定された文脈の中で、そのからどのようなメッセージを感じ取り、自分にどのようなアクションを促すかを考えるようにしている。 最近になっては特に、なかなか純粋に知的な読書をする精神的余裕がないこともあるが、自分の世界観の変化や具体的なアクションに繋がるような示唆に富むとの出会いを、大切にするようになった。 梅田望夫氏の新著「ウェブ時代 5つの定理」は、「これまでの僕のの中で、君がきっと一番気にいると思うよ」というコメントとともに、最終に近い草稿を著者から受け取る幸運に恵まれた。早速読み進めると、書は著者の予告通り、今の自分のこころの琴線に触れる、インスピレーショナルな言葉が散りばめられていた。 新しい生命保険の設立という、自

  • 本当のおカネ・リテラシー

    梅田さんのブログで紹介されていた、「お金のリテラシー」に関するエントリーを読んで、例えば自分の子どもたちに教えたい、当のファイナンシャル・リテラシーとは何か、考えてみた。 上のエントリーでは「資を提供したら増えて帰ってくる」、「資を借りたら幾ばくかの金利を払わなければならない」なる資主義の基原則が述べられている。 しかし、金融業界に身をおくものとして、僕は「お金のリテラシー」の質は資コストでも割引現在価値でもポートフォリオ理論でもなく、もっともっとシンプルなものであると思う。以下、考えた「5つのルール」: ルール#1:お金については、管理や理解に時間と労力を使うかどうかによって、最終的に手元に残るお金は大きくかわる。だから、さぼらずにまずは努力をしてみよう。 お金と向かい合うのは何かと面倒だから、できたら考えたくもない。でもその結果、不要なものにお金を払い続けたり、世の中にも

  • 新社会人の皆さんへ

    期待に大きく胸を膨らませ、新たなスタートを切ったことと思います。 入社当時の自分にとって、9年目の先輩というと随分オトナに見えたものですが、いざ自分がその立場になってみると、あの頃とさして変わらない、いつ まで立ってもオトナになりきれない自分がいて、もしかしてこの9年間で学んだもっとも大切なことの一つが、人間っていくつになっても変わらないのだなぁ、 そんなことかも知れない。 9年という年月と、4社での勤務経験(留学中のインターン先を入れると5社だ。わお。)を経て分かったことをいくつか、お伝えしたいと思います。 まず、『楽しい仕事』というものがあるわけではない。あるのは、『仕事を楽しくできる自分』がいるかどうか、ということ。 入社したての頃は、ついついこれまでの学校生活のように、面白い仕事を用意してくれ、年次を重ねればビジネスパーソンして成長できるはずと、会社がお膳立てしてもらえるような気が

  • なぜ株式投資はもうからないのか

    月曜日の夜はRTCカンファレンスにスピーカーとして参加する。今回は保田君の新著、『なぜ株式投資はもうからないか』の出版記念イベントも兼ねているとのことなので、予習として彼の問題意識を知っておくべく、同書を手に取った。 まず、個人投資家が中長期的に安定的な投資を行っていく上で、知っておくべき知識、あるいは「ゲームのルール」を知らないまま、ほとんど博打状態でマーケットに参加していることへの懸念は、共感する。それに対して警鐘を鳴らすことが書の一番の狙いであるように思った(タイトルがそれを表している)。 昨年の夏に帰国後、株をやっている友人に「ヘッジファンドで色々と面白い運用方法を見てきたので、教えてあげようか」と話したところ、「年率10~15%でまわすなんてことには興味ない。短期で数倍を狙えないと面白くない」と言われて、ああそうか、そういえば麻雀・パチスロが大好きなばくち打ちだった彼にとっては

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