SF映画において、タイポグラフィとデザインはどのように「未来」を視覚化してきたのかでしょうか。 『2001年宇宙の旅』以降のSF映画作品を題材に、SF映画のストーリーテリングとデザインの関係を分析する『SF映画のタイポグラフィとデザイン』が刊行されました。 発売直後から熱狂的なSF映画マニアとタイポマニアに支持され、SNSで大きな話題となり、すぐに重版が決定しました。 今回のためし読みでは、著者デイヴ・アディによる「はじめに」部分を全文公開いたします。 はじめに 2013年、最悪の発見をした。 運命の数ヶ月間、わたしはお気に入りのSF映画のなかに、まったく同じ書体タイプフェイスを次から次へと見つけはじめた。一度見えてしまったら、もう見えないわけにはいかない。どこを見ようと、あるいは何を観ようと、Eurostile Bold Extended――あらゆるタイプフェイスのなかで最もSF的なタイ