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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (7)

  • 「建築のジェノサイド」に気付かない日本

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔9月3日号掲載〕 鎌倉を世界文化遺産に登録しないように──ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)がそう勧告したことを受け、松尾崇・鎌倉市長と黒岩祐治・神奈川県知事は会見で無念さをにじませた。 鎌倉市当局は中世の都市としての「物的証拠が不十分」と指摘されたことを認め、私にこう説明した。人類の遺産として保護する価値があると世界に認めてほしいのは、鎌倉を取り囲む山々とその麓に点在する寺院や遺跡だ。そこに日独自のサムライ文化があると自分たちは考えているが、イコモスにはその意図が十分伝わらず、「武家の古都」とする根拠が不十分だと判断された、と。 黒岩知事は今回の勧告に「目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた」と語った。こんな妥当な判断に衝撃を受けているようでは、知事の体が心配になる。そもそも県の誇る珠玉・鎌倉がじわじわ破壊さ

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    batta 2013/09/10
  • 表参道はシャンゼリゼになれない

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔6月25日号掲載〕 アナ・ウィンターといえば、現代ファッション界で最も有名な人物だ。米版ヴォーグの編集長であり、大ヒットした小説および映画『プラダを着た悪魔』のモデルになった人物だ。 ファッション業界の人間として、アナ・ウィンターは日のことをよく知っている。日人がどれくらい洗練されているか、世界のファッションがどれほど日文化の影響を受けているかも理解している。だから2011年3月に東日大震災や原子力発電所の事故の発生を知ったとき、彼女は愛するこの国のために自分は何をしたらいいだろうと考えた。 そして彼女は、東京の表参道でファッションショーを行うことを決意した。日の復活を示すとともに東京と日をたたえる世界的なイベントになるはずだった。ウィンターは有名で才能あふれるモデルやデザイナー、ブランドの経営者に電話をし、11年秋の実現を目指してショー

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    batta 2013/07/04
  • 日本は戦後ずっとアメリカの属国だったのか

    尖閣諸島で日中の緊張が高まり、沖縄では新型輸送機オスプレイの配備に地元が反対するなど、あらためて日米同盟が問い直されている。こういう状況に乗って『戦後史の正体』というが20万部を超えるベストセラーになっている。著者は孫崎享氏。外務省で国際情報局長などを歴任した外交官だ。 その内容は、単純な陰謀史観である。戦後の首相を「対米追従派」と「自主派」に分類し、前者は長期政権だったが、後者はアメリカの工作によって失脚したという話だ。確かに終戦直後には進駐軍に抵抗して失脚した政治家も多いが、21世紀に入っても鳩山由紀夫氏や福田康夫氏までアメリカの陰謀で失脚したというストーリーは荒唐無稽で、具体的な証拠は何もない。 長期政権だった吉田茂、池田勇人、中曽根康弘、小泉純一郎などが対米追従路線をとったのは、それ以外の選択肢がなかったからだ。来はサンフランシスコ講和条約で独立したとき、憲法を改正すべきだった

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    batta 2012/10/13
  • 米国人ラッパーが作った最強の東京PRビデオ

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔10月12日号掲載〕 東京という街を宣伝する史上最高の広告。これを作ったのは日人ではない。ギリシャ出身の無名の監督とアメリカの超人気アーティストだ。 霞が関のお役人の中で、ファレル・ウィリアムスの名を聞いたことがある人はそう多くはないだろう。だがウィリアムスは世界的なスター。73年生まれで、知名度においても影響力においても、同世代のアーティストの中では抜きんでた存在だ。多才な人物で、ラッパーであり歌手であり、ヒット曲を数多く手掛けたプロデューサーであり、作曲家であり、デザイナーとしての実績もある。 要するに、ウィリアムスは流行の最先端にいる人間ということになる。一歩先を見て、べ物や音楽旅行先のトレンドを動かす「世界のトレンドセッター」であり、世界中の若者たちが彼の意見に耳を傾ける。宣伝マンとしてはこれ以上望むべくもない存在だ。 そしてありがたい

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  • 「イタリア化」する日本

    辞めそうで辞めない首相が国民をいらだたせているが、人はいたって意気軒昂・・・といっても日のことではない。イタリアのベルルスコーニ首相は、収賄、詐欺、未成年者との売春などの容疑で十数回も訴訟を起こされているが、3度にわたって合計8年半も政権の座にある。これは戦後のイタリアでは最長記録で、イタリアは彼以外の首相が短命なことでもよく知られている。菅氏は戦後26人目だが、ベルルスコーニ氏は38人目だ。 共通点は他にもある。2000年代の実質経済成長率は、OECD諸国の中でイタリアが最下位で、日は下から2番目だ。政府債務のGDP(国内総生産)比は、日が最大でイタリアは第2位である。こういう状況になっても政府は問題の先送りを続け、いっこうに財政再建が進まないのも同じだ。 この原因も似ている。労働生産性はG7諸国の中でイタリアが最低で、日は下から2番目だ。労働市場が硬直的で解雇が事実上できず、

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    batta 2011/06/19
  • ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

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    batta 2011/05/23
  • 東京の人と街を彩る完璧な服装という「鎧」

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 東京ではよく完璧な女性に出会う。電車の中や道で擦れ違いざまに、うっとりするほど完璧な女性を見掛ける。といっても、この人と生涯を共にしたいと思うわけじゃない。一分の隙もないほど完璧な服装の女性という意味だ。東京にはそんな女性があふれている。 驚くほど完璧なファッションの女性を一日に何度も見掛ける。細部まで計画し配置し磨き上げたかのようだ。ハンドバッグももイヤリングも服もばっちり決まっている。携帯電話の色までぴったりだ! 東京のは世界一ぴかぴか。東京では何でも「完璧であること」が重要だ。 完璧に決めた女性を見るたび、どのくらい時間がかかるんだろうと思う。冬は帽子やスカーフやコートも加わるから、さらに大変だ。なのに360度どこから見ても完璧。後ろはどうやってチェックするのか。きっと自宅に複雑な仕組みの鏡があるに違いない。たとえ地震で鏡が割れても何のその

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    batta 2011/04/13
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