内閣府が15日発表した2023年の名目国内総生産(GDP)の速報値は、591兆4820億円だった。ドル換算は4兆2106億ドルとなり、ドイツの4兆4561億ドルを下回って日本は世界4位に転落した。名目GDPの実額でドイツの後じんを拝するのは、1967年以来56年ぶり。翌年に当時の西ドイツを上回っていた。 日本は長らく、資本主義国としては米国に続く「世界第2位の経済大国」だったが、90年代以降は低迷が続き、中国の台頭を受けて10年にその座を明け渡した。
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日本のGDP(国内総生産)がドイツに抜かされようとしている。すでに1人あたりのGDPでは台湾に抜かされ、韓国が日本を抜くのも時間の問題と言われる。国内ではこうした事態に対して「ショックだ」といった反応が多いようだが、果たしてそうだろうか。過去の経緯と日本経済の現状を知る人にとって、ドイツと順位が逆転したり、台湾や韓国に追い付かれることは特段、驚くような話ではない。 加谷珪一(かや・けいいち) 経済評論家 1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(
米中に次ぎ世界第3位の日本の名目国内総生産(GDP)が、経済の長期停滞などを受けて早ければ2023年にもドイツに抜かれ、4位に転落する可能性が出てきた。近年の円安に伴うドルベースの経済規模の縮小に加え、「日本病」とも揶揄(やゆ)される低成長が経済をむしばんだ結果だ。専門家は企業の労働生産性や国際競争力を高める政策をテコ入れしなければ、遅くとも5年以内には抜かれる可能性が高いと警鐘を鳴らす。 経済規模の国際比較に用いられる名目GDPは、国内で生産された財・サービスの付加価値の総額だ。物価変動の影響を取り除いた実質GDPに比べて、より景気実感に近いとされる。 国際通貨基金(IMF)の経済見通しでは、22年の名目GDP(予測値)は3位の日本が4兆3006億ドル(約555兆円)なのに対し、4位のドイツは4兆311億ドルで、ドイツが約6・7%増えれば逆転することになる。 IMF予測では23~27年も
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