印刷 埼玉県熊谷市で2007年8月に観測された国内最高気温40.9度は、風が地面からの熱で暖められる効果が決定打になって起きていたらしいことが、筑波大の研究チームによるコンピューターシミュレーションでわかった。フェーン現象だけでは説明できない猛暑だったという。 米気象学会誌(電子版)に発表した。研究チームによると、当日の熊谷に風を吹き下ろした山岳地帯の上空1500メートルの気温は21.6度だったが、風が山を越えて100メートル下がるごとに1度上昇するフェーン現象の効果では地上は36度超にしかならず、40度を超えた説明がつかない。 ところがチームの計算では、高度2千数百メートルを流れてフェーン現象を引き起こす風のほかに、高度千メートル以下の低い風の流れがあったことがわかった。この低い風は山岳地帯や平野部を吹き抜ける間に、地面からの熱により暖められて到達したと考えられる。