ローマ法王ベネディクト16世 世界11億人のカトリック信者の頂点に立つローマ法王ベネディクト16世の足元が揺れている。ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺を疑問視する発言をした司教の破門を解除したことが「最大の失態」と批判され、法王自身の不人気も相まって、バチカンを訪れる信者の数が大きく減っている。 バチカン市国は11日、成立から80周年を迎え、本来であれば祝賀ムード一色のはずだが、逆に緊張感に包まれている。きっかけは、教義の解釈をめぐる対立から破門された超保守派司教4人に対し、1月に破門の解除を決めたことだ。その1人が、昨年11月にテレビインタビューで「ナチスのガス室で殺された者はいない」とホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を否定したことから、批判が巻き起こった。 バチカン側は4日に「法王はホロコーストを否定しない立場を明確に表明している」と声明を出したのに続き、8日に法王がメルケル独首相