国土交通政策研究 第46号 住宅リフォーム市場の実態把握と 市場活性化に関する研究 2005年3月 国土交通省国土交通政策研究所 主任研究官 長野 幸司 主任研究官 奥原 崇 前 研 究 官 池田 清忠 はじめに 少子高齢化や地球環境問題といった社会情勢、雇用や賃金体系に代表される経済構造の 変化等を背景として、わが国の住宅市場は大きな転換期を迎えている。住宅の新設着工戸 数が将来的に拡大する必然性は乏しいと考えられ、端的に言えば、今後わが国の住宅市場 では、 量重視から質重視へ、 スクラップアンドビルドからサスティナビリティ(持続可能性) といった方向性がキーワードとなり、既存ストックの有効活用や循環が求められている。 ストック重視の方向性は政策的にも明確化されており、ストックの質的向上、住宅のラ イフサイクルコスト低減、多様化・高度化する消費者ニーズへの対応、住宅関連産業の景 気・雇用