2015年、最高の一冊を決める! さっそく意気込んでみたものの、なかなかの難題である。何をもって最高とするのか。今年最も注目を集めた一冊なのか? それとも最も売れた一冊なのか? どちらでもないだろう。我々が本に求めているのは、マスメディア的なものではない。それなら、どのような本を求めてきたのか? 情報の送り手としての立場ではなく、今一度、読書人としての基本に立ち返ってみる。 多くの人に影響を与える本よりも、一人の人生に狂わせるほど大きな影響を与えられる本。 たとえば自由について論じられた本よりも、存在そのものが自由である本。 今すぐ役立つ本よりも、5年後にも本棚から取り出したくなるような本。 時間を節約するための本よりも、時間を忘れられるような本。 答えが書かれた本よりも、問いを見つけられる本。 つまりは、本の世界をもっと広く捉えて楽しみ尽くしたい。このために必要となってくるのが、多くの人