八田達夫『ミクロ経済学Ⅰ』・『ミクロ経済学Ⅱ』 (東洋経済新報社)。洛陽の紙価を高める圧倒的な名著。The new classic。著者がはしがきで語るように、ミクロ経済学への入門のための独学書であり、大学や公共政策系大学院におけるミクロ経済学の入門科目の教科書として用いることもできる。Ⅰ巻が3500円、Ⅱ巻が3800円で計7300円であることを考えると、米国のミクロ経済学の教科書に比べると安いにも関わらず、大学ではなかなか指定しにくいかもしれない。例えば、マンキュー・ミクロ一冊は4000円である。 公共政策系大学院において、実際の1年目でIntermediate VarianもしくはNicholsonをやることを前提として、事前に本書を熟読しておくことを未修者に強く薦めるのはとてもよいことだと思う。「らせん型勉強法」も公共政策系を目指す人々にはとても重要なことだろうし、Ⅱ巻のリーディング