森本は新エースとして期待されるだけに、プレシーズンには厳しい批判もあった【Photo:Enrico Calderoni/アフロスポーツ】 左サイドのチーロ・カプアーノから鋭いクロスボールが放たれ、森本貴幸はニアポスト目掛けて飛び込んだ。8月15日のコッパ・イタリア3回戦、クレモネーゼ戦の後半31分。2度の決定機を外した後でやってきた、3度目のチャンスだった。しかし、シュートはわずかにゴール左へそれた。 自らに対する怒りでピッチ脇の看板を蹴り飛ばした森本は、直後に交代を命じられた。その時だ。ゴール失敗にため息をついていた地元のファンは、力のこもった拍手を送った。選手に対し皮肉で拍手をするような気質は持ち合わせていない。3年前から成長を見守り、ついにエースとして新シーズンに臨む森本に対する、激励のメッセージにほかならなかった。 森本の4年目のシーズンインには、かつてない期待が懸けられている