日本の家電業界で海外企業への事業売却などが相次ぐなか、唯一の総合家電メーカーとして気を吐くパナソニック。同社も中国企業などの攻勢にさらされるなか、2018年には家電メーカーから「くらしアップデート業」への転身をビジョンとして打ち出した。巨艦・パナソニックは今後どう変わるのか。生活家電事業を統括するアプライアンス社副社長の堂埜 茂氏に聞いた。(聞き手:内田 泰、野々村 洸、東 将大) まず、家電市場に対する現状認識をお聞かせください。昨今では中国メーカーなどの攻勢に対して、日本企業の世界での存在感が薄れています。 確かに中国メーカーは、非常に安い価格で世界のさまざまな地域でビジネスを展開しています。東芝やシャープといった日本の伝統的なブランドの背後に、中国や台湾の企業の存在があるという危機感も抱いています。 ただし、生活家電は、テレビなどとは事情が大きく異なります。中国勢も含めて、本当の意味