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(※)この記事は前編の続きです。前編:日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く ――インターネットの可能性は上から下まで開かれているところにあると思います。梅田さんの著書を読んでいると、例えば、最新刊「シリコンバレーから将棋を観る」の前書きにも、将棋を愛する人物の例として、医者や会社社長など肩書きのある“ハイソ”な人ばかり出てきて、「頭のいい人はすばらしい、頭のいい人は分かっているよね」とおっしゃっている印象を持ちます。 そういう言われ方をすれば、もうみんなそう思っていると思うけど、僕はそういう人間だよ。ハイブロウなものが好きですよ。それはしょうがないじゃない。 それは否定しないよ。僕はそういう人間だからね。でもね、本当はできる人が「できない」と言う文化は嫌いですね。本当はできる人が「自分はダメである」といってみんなと仲良くせざるを得ない日本の社会というのは嫌いですよ。 高校生でも中学生
2006年2月、梅田望夫さんが著した「ウェブ進化論」(ちくま新書)は、インターネットの可能性やGoogleの力をポジティブに語り、国内の「Web 2.0」ブームに火を付けた。 その後も「フューチャリスト宣言」(新潮新書)、「ウェブ時代をゆく」(ちくま新書)などWeb関連の本を立て続けに出版。テレビやネット媒体、新聞などの取材にも精力的に答えていた。 だがここ最近は、Webについて語ることは少なく、昨年11月にはTwitterに書き込んだコメントが炎上するという“事件”も起きた。 一方、今年5月には、最新刊「シリコンバレーから将棋を観る」(中央公論新社)を出版。その名の通り、将棋観戦の魅力を語った本で、帯にはこうある。 「わたしが本当に書きたかったのはこの本でした」 同書で彼は、“指さない将棋ファン”として将棋を語り、羽生善治さんなど第一線の棋士の努力と天才性を「シリコンバレーの技術者と通じ
「医薬品ネット販売規制は過剰。通販継続に向け、国会で改めて議論を」――6月1日施行予定の改正薬事法に伴う省令で、一般用医薬品(大衆薬)の通信販売が規制される問題で、与野党の若手議員と浅野史郎・元宮城県知事など有識者、消費者が5月21日、衆院議員会館に集まりネット販売継続を強く訴え、国の姿勢を批判した。 厚生労働省は「対面販売でなければ安全性が確保できない」として、ネットや電話などによる大衆薬の通信販売を省令で規制する。ネット業界や消費者などからの反発を受けて検討会を開いたが、議論はまとまっていない。厚労省は経過措置として、離島の居住者などに限って2年間、通販の利用を認めるよう提案しているが、このままでは大半の人がネットで大衆薬を購入できなくなる。 「この省令には与党でも疑義を持っている」――呼び掛け人・自民党の世耕弘成・参院議員はこう口火を切った。省令施行まで時間がないが、まずは現行のまま
既に分かっていたことが確認できるだけだが、新しいデータを紹介しよう。 1カ月ほど前、Windows Vistaの採用状況に関する新しいデータを入手した。2008年5月と2007年4月に行われた調査結果を比較したものだ。わたしはMicrosoftのパートナーカンファレンスやAppleのiPhone 3G発売など、幾つかの大きなイベントが終わるのを待ってから取り上げようと考えた。E3の閉幕までもう1週間待とうとしていたが、待つのはやめにしようと思い立った。 前年との比較(調査で使われている用語では、Wave1とWave2の比較)によるこのデータは、企業におけるVistaの採用が寂しい状況であることをあらためて突きつけている。厳しい数字となっており、わたしが講釈好きだとしても、独自の解釈を加える余地はあまりない。そもそもわたしは講釈好きではないし、データは常に事実を物語るだろう。この場合は冷酷な
ごつごつした岩地にサボテンが生える、米国・アリゾナの荒れ地。白いひげを蓄え、大きな眼鏡をかけた白人の初老の男性が、ゆっくりと歩いてくる。つばのある白い帽子をかぶり、リュックを背負っている。ハイキングに来たのだろうか。 リュックからおもむろに取り出したのはアニメDVDの箱。「おはよう。このボックスの中のDVDを、プレーヤーに入れてみよう」―― 砂漠の映像を背景に、グランピーじいさんは真面目な顔で、だが楽しそうに、「涼宮ハルヒの憂鬱」の評論を始める。「あまり好きなジャンルではないが、このアニメで笑ったことを認めないとね。気に入ったよ」「キョンというキャラによる解説が面白くてね」 彼は自称グランピーじいさん(GrumpyJiisan)。アリゾナに住む60歳で、YouTubeに日本のアニメ評論の動画を投稿している(GrumpyJiisanのYouTube)。ハルヒ動画の背景は、途中で砂漠の映像に変
ITmediaニュースとMouRaバチェラーズニュースの共同企画「おもしろさは誰のものか」、そのバチェラーズサイドとして、今回はガイナックスの版権部門の長である神村靖宏氏にインタビューを行った(前編)。 ガイナックスは「優れた才能を持つアマチュアが集まり、プロとして作品をつくり始めた」という伝説を持つ集団(※)。劇場映画「王立宇宙軍・オネアミスの翼」('87)、OVA「トップをねらえ!」('88)、「ふしぎの海のナディア」('90)、「新世紀エヴァンゲリオン」('95)など、多数の名作を世に送り出してきた映像製作会社である。 (※)ITmedia編注:ガイナックスは、日本SF大会「DAICON3」(1981年)のオープニングアニメーションに関わった学生らで構成した「ダイコンフィルム」が母体となって設立された。ダイコンフィルムは「DAIKON4」(1983年)で、当時人気の特撮番組をパロディ
公正取引委員会が4月23日、日本音楽著作権協会(JASRAC)を立ち入り検査した。音楽の著作権管理事業への新規事業者の参入を困難にした独占禁止法違反(私的独占の禁止)の疑いがもたれている。 JASRACは音楽著作権管理事業を独占的に展開していたが、2001年の「著作権等管理事業法」施行で新規参入が認められ、イーライセンスやジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)などが参入した。だがいまだに楽曲の99%をJASRACが管理する、という独占状態が続いている。 各紙の報道によると、今回公取委が問題視したのは、JASRACが放送局と結んでいる「包括利用許諾契約」。包括的利用許諾契約は、放送事業の収入の1.5%を支払えば、JASRACが著作権を管理している曲を、何度でも自由に使うことを認めるという内容の契約だ(JASRACの規定:PDF)。 包括契約なら楽曲を使用する際、1曲1曲許諾を取ってそれぞれ
「著作権制度が想定していない状況に直面し、右往左往している」――東京大学の中山信弘教授が2月29日、「著作権リフォーム」をテーマにしたデジタルコンテンツ協会のシンポジウムで講演した。一般ユーザーが創作し、ネットで著作物を発表する現代に、プロを前提にした著作権制度が対応できなくなっていると指摘。著作物の流通を円滑化するための改革の必要性や、著作物を独占せず、広く共有しようという「コモンズ」の考え方などを紹介した。 中山教授は著作権法学界の第一人者で、政府の知的財産戦略本部の構成員や、文化庁傘下の文化審議会著作権分科会私的録音録画小委員会の座長、クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事長も務める。約20分の短時間に詰め込まれた濃い内容と問題提起に、参加者は聴き入った。 19世紀の前提が時代に合わない 「19世紀の状況を前提にして構築された著作権制度が、インターネットの発展でとてつもなく大きな問題
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小飼弾――35歳からのプログラミングこそ無上の至悦:New Generation Chronicle(1/9 ページ) 豊富な実績で多くの開発者を先導する存在になりつつある人物を取り上げる「New Generation Chronicle」マエストロスレッド。こちらの第1回は、ブログ「404 Blog Not Found」などでも知られる小飼弾氏だ。 次代の開発者の素顔と、その交友関係をソーシャルグラフ化する目的ではじまった「New Generation Chronicle」。斉藤のり子さんにはじまった「Web2.0系スレッド」、井上恭輔さんにはじまった「バイナリアンスレッド」に引き続き、すでに豊富な実績で多くの開発者を先導する存在になりつつある人物を「マエストロスレッド」として紹介していきたい。現在、大いに名が知られる彼らがたどってきた道と、経験によって養われた見識からは、次世代の開発者
豪州の反捕鯨運動を批判する動画が昨年12月23日にYouTubeに投稿され、日豪で論争を引き起こしている。再生数は1月9日までで50万を超え、1万5000以上のコメントが付いている。再生が50万を超えるYouTube動画は珍しくないが、1万以上のコメントが付くのは異例。 豪州メディアの報道によると、豪州の外相が動画について、「動画は豪州政府の反捕鯨方針を覆すものではなく、日豪関係を傷つけるものでもない」などと語ったという。 動画は「白豪主義オーストラリアと反捕鯨」というタイトルで約10分間。豪州の人種差別問題やディンゴ(野犬の一種)の虐殺などについて画像や動画を、英語と日本語の解説文入りで紹介し、「豪州は日本人への差別意識から日本の捕鯨に反対している」などと批判している。 動画には日本語、英語でコメントが寄せられており、その内容は「ディンゴ虐殺の残酷さに驚いた」「それでも捕鯨はダメだと思う
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「ダウンロード違法化」が不可避に――12月18日に開かれた、「私的録音録画小委員会」(文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会内)で、「著作者に無許諾で動画や音楽をアップロードしたサイト(以下「違法サイト」)からのダウンロード(※注:「ニコニコ動画」「YouTube」などでのストリーミング視聴は含まない)を、著作権法30条で認められた「私的使用」の範囲から外し、「違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法とする」という方向性がまとまった。 同委員会が公表した「中間整理」に対するパブリックコメントでは、「ダウンロード違法化」に対し、一般ユーザーから多数の反対意見が寄せられた。それでも違法化の方向が固まったのはなぜだろうか―― 争点:「30条の適用範囲」とは 著作権法30条では、著作物の複製について、「私的使用」のための複製を認めている。私的使用とは、「個人的に、または家庭内、これに準ず
文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会に設けられた「私的録音録画小委員会」の第15回会合が12月18日に開かれ、「著作者に無許諾で動画や音楽をアップロードしたサイト(以下「違法サイト」からのダウンロード(※注:「ニコニコ動画」「YouTube」などでのストリーミング視聴は含まない)」を、著作権法30条で認められた「私的使用」の範囲から外し、「違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法とする」という方向性がまとまった。(→詳細記事「反対意見多数でも『ダウンロード違法化』のなぜ」 ) 小委員会ではこれまで、30条の適用範囲について、権利者側、消費者側の意見が対立してきた。権利者側は「違法サイトからのダウンロードで多大な経済的損害を受けている。(現行法でも違法となっている)アップロードだけでなく、ダウンロードも違法にすべき」と主張。消費者側は「経済的不利益は実証されておらず、違法化するこ
器用・真面目・誠実・勤勉のイメージで注目を浴びるベトナム 今回は、ベトナムの独立系ベンダを活用した小規模オフショア開発の成功事例を紹介します。この話題の提供元は、11月15日に東京で開催されたオフショア大學開講記念セミナーで講演した霜田寛之氏(Global Net One株式会社 代表取締役社長)です。ベトナムの事例を紹介するにあたり、霜田氏は次のように語ってくれました。 これまで語られてきたベトナム関連情報の大半は、大上段に構えたマネジメント視点の知識、ノウハウでした。私たちは、戦略思考を持ってオフショア推進の旗振りを行う必要があります。 今回は私が立ち会ったケースを通じて、ベトナムで実際に起きている現場の声をお伝えします。器用・真面目・誠実・勤勉というイメージで注目を集めるベトナムですが、どのような点が優れていて、どのような点が課題となっているのかを正直に紹介します。 事例:創業2年の
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「圧縮新聞」「訃報ドットコム」始めて半年で数々のサービスを生み出す、自称“ニート”──phaさん:田口元の「ひとりで作るネットサービス」探訪 「ニートだけど別荘を買った」というブログで知られるphaさんは、数々のWebサービスを生み出す開発者でもある。プログラミングを始めたのは2007年の2月。どのようにして学び、サービスを作り出していったのだろうか。 ひとりで作るネットサービス──第19回目はその日の最新ニュースをまとめて表示する「圧縮新聞」や、訃報情報を自動でまとめる「訃報ドットコム」など、多数のWebサービスをひとりで開発しているphaさん(28)にお話を伺った。プログラミングを始めたのは2007年2月からというphaさん。短期間でプログラミングを習得し、サービスを開発できるようになった背景にはどういった仕事術があったのだろうか。 憧れのプログラミング──2007年2月に思い立って始
歌声制作ソフト「初音ミク」発売以来、アクセストップテンには毎週のように初音ミク関連の記事がランクインしている。先週も1位と2位に「初音ミク」の文字。きょうは妹分の「鏡音リン」に男の子版「レン」がいた――という衝撃の事実が明らかになり、また話題が沸騰しそうだ。 さて、手前味噌な話題で恐縮だが、先週27日夜に放映された、NHK BS2の番組「ザ☆ネットスター」に、出演者ながらぶっ飛んだ。記者は家でBS2を見られないため、ニコニコ動画で全編を確認したのだが、オープニングから驚愕。オープニング曲を初音ミクが歌っていたことにもびっくりしたが、何よりも、「自分がエロゲキャラになってる」という事実に笑い転げた。 オープニングで出演者を「萌えイラスト風」に紹介する――とは事前に聞いていたのだが、まさかあそこまで完璧なエロゲ風になっているとは。記者は顔も髪型も似ても似つかない、かわいらしいが巨乳クールなキャ
「第2回MIJSカンファレンス『Japan』」では、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏と、日本のJavaエバンジェリストである丸山不二夫氏の初対談が実現する。国内のデベロッパー注目の2人に、話を聞く。 11月29日に開催が迫った「第2回MIJSカンファレンス『Japan』」では、デベロッパーにとって待望の顔合わせとなるビッグ対談が用意されている。 登壇者の1人は、日本発の軽量オブジェクト指向プログラミング言語「Ruby」の生みの親であり、現在はネットワーク応用通信研究所と楽天技術研究所でフェローを務めるまつもとゆきひろ氏。そしてもう1人は、UNIXやJavaを教育に取り入れた日本初の大学として知られる稚内北星学園大学で教授を務める傍ら、今年4月に発足した日本Javaユーザーグループ(JJUG)の会長に就任した丸山不二夫氏である。 両氏がじっくりと語り合うのはこの日が初めてという。この2人に
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