9月である。日本語教室にも新入生がどっと入って来て、2000年度の新学期が始まった。秋学期は12月まで。その後は1月から冬学期で、4月に学年が終る。当地と反対で日本では入学式は4月だった。俳句の歳時記を繰ってみると、「春」の季語として(二月・三月の)「入学・入学試験」があり、続いて(三月末の)「卒業・卒業式」、(四月の)「入学・一年生」と並んでいる。「桜・入学式・ランドセル」の三点セットは春の風物詩としてすっかり日本人の心に刷り込まれているが、いつの間にかすっかりこちらの生活リズムに慣らされてしまった。カナダ生活も早20年。今さらながらに時の流れの速さには驚かされる。 最初のクラスで毎年「50音図」を見せる。日本語も音声面では世界でも珍しいほど簡単な言葉であることを学生に知って貰いたいし、日本語はやはり「平仮名」から教えたい。平仮名46字こそは日本語学習の最初の山だろう。大半が平仮名と