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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (41)

  • 深町秋生の序二段日記

    え、あけましておめでとうございます。ただいま元旦の午前2時30分であります。 さて20年ぶりぐらいに紅白歌合戦を見ました。総計で10分くらいでしょうか。もちろんPerfume目当てですよ。決まってるじゃないですか。とはいえ2分ぐらいの「ポリリズム」ショートバージョンだったわけで(でもあんまり見たことのない曲編集だったなあ。フルでもないのにポリリズム間奏ダンスが無理やり挟んであって)、感慨深いけれどちっともおもしくはなかった。「ポリリズム」去年の歌だし。 それにしても紅白って子供のころから赤面したくなるほど恥ずかしいイベントやMCづくしだったけれど、そこらへんは全然変わってなくて、いっぱしの大人たちがむりやり特殊学級のお遊戯大会みたいなことをさせられるところが返っておもしろかったですね。小学生の卒業式というか。「たのしかったしゅーがくりょこー、うんどーかい」とかそういうノリだったなあ。司会の

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  • 深町秋生の序二段日記

    NHKで放送されたPerfumeのライブ番組を見た。 先月行われた武道館ライブの模様とPerfumeの紹介、ライブに到るまでの裏側まで撮影した非常に手堅い作りになっていた。これはライブ映像だけをドンと提供したDVD「GAME」より貴重かもしれない。 肝心のライブ映像自体は、迫力という意味では「GAME」に負けるかもしれない。ZEPP東京という約3000人規模の会場にぎゅっと凝縮された熱気やうねりに比べると、武道館はやっぱりでかい。ステージも巨大すぎ(しかもステージは2つ)、テレビの画面を通してみると、そこに娘さん3人オンリーというのは視覚的にちょっとスカスカな感じがした。実際に参加してみるとレーザー光線がびかびか、電飾ぎらぎらで華やかだったのだけれど。あと観客もぎゅうぎゅうに圧縮されていないのでヤケクソ感がなかったのも一因かもしれない。なくていいけど。 とはいえ、あのライブではわからなかっ

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  • ワシのファンタジー - 深町秋生の序二段日記

    数年に一度、沢木耕太郎さんのエッセイ「バーボンストリート」を読む。 これは講談社エッセイ賞を獲った名著で、だいたい内容を忘れたころに読み返すと、「ああ、やっぱおもしれえなあ」と毎度二時間くらい至福の時間を提供してくれるコストパフォーマンスの高いである。そのなかの一に「奇妙なワシ」という有名なエッセイがあって、当時かなりの反響があったらしく、日文学界の長老丸谷才一先生もアンサーエッセイのようなものを嬉しそうに書いてらっしゃった。 奇妙なワシというのは鳥類の鷲ことではなく、ワシのこと。つまり第一人称を示すあのワシである。主にスポーツ新聞などに登場する紋切型、「ぬけるような白い肌」「嬉しい悲鳴」「ポンと百万円」「大腸菌がウヨウヨ」「小鹿のような足」「一面銀世界」「ポカポカ陽気」、野球では「矢のような送球」「地を這うようなゴロ」、ライナー性のホームランは必ずスタンドに「突き刺さる」というよう

    ワシのファンタジー - 深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2008/12/03
    ワタクシ-ワタシ-ワシ なのかな
  • 深町秋生の序二段日記

    あの軍人さん、あれは一体なんなんだ。 驚いたが、とにかく違和感が残った。例の航空幕僚長更迭&退職の件である。 彼が書いた論文の中身にしても、自衛隊のエリート高官のわりにはひどく低レベルなものであり、歴史修正主義の内容がどうのこうのというよりもまず論文の書き方自体を覚えるべきだろう。(章立てもなく、だらだらとカラオケみたいにメリハリもなく書き続けるさまは、まるでゼミに入りたての学生の文のようだ) これまで「戦前」なるものを美化する人たちを多く見てきた。自衛隊のなかにそうした思想や哲学を持つ人間がいることも想像できる。私にしても戦後の価値観がベストだとは思っていないし、戦前の右翼や国粋主義者から学ぶところもいっぱいあると思っている。 しかしだからこそ違和感がぬぐえなかった。あの威勢のいい記者会見なんかを見ていてそれはさらに強まっていった。これまでの問題発言や論文の応募、反省もないまま自説を述べ

    深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2008/11/05
    「彼らは忠誠心を下の人間に求めるが、彼ら自身はなにに忠誠を誓っているのだろう」忠誠MODのジェイルブレイク
  • 深町秋生の序二段日記

    過労死しそうな毎日だけど、ぼかあ今幸せだ。へへへ……。 そりゃそうだ。PerfumeのライブDVDが発売されたのだから。初夏に行われた全国ツアー「GAME」、そのなかのZEPP東京&最終日横浜BLITZでのライブが収録されている。 彼女たちのライブDVDはこれで2枚目だ。最初に出たのは06年の冬に原宿のライブハウスで行われたもので、翌年に「ファンサービスビター」として限定発売(のちに再販売された)された。最初のライブDVDは出世曲「ポリリズム」が出る前で、木村カエラもまだ紹介していなかったころ。一部のマニアックな音楽ファンやアイドルファンの間で「知る人ぞ知る」的な存在であったと思う。思うと言ったって、正直に告白すれば、私もそのころは名前を知っていただけだった。 まずDVD「GAME」で圧倒されるのは観客の熱気とうねりだ。一年半前とはかなり違っている。もちろん原宿ライブの客たちも熱いが、そこ

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  • 深町秋生の序二段日記

    「東京デッドクルージング」おかげさまで評判がよく、書評も徐々に目にするようになり、取材の申し込みも複数あり、ありがたい状況だ。 去年から今年にかけてとにかく取材(と称して)しょっちゅう上京してはあちこち都内をうろついたが、そこで改めてはっきり感じたのが「東京も充分にださくて貧乏で郊外」ということだった。 http://www.hayamiz.jp/2008/08/post-3dc1.html(【A面】犬にかぶらせろ! 『東京デッドクルージング』東京論としてのノワール小説) 1980年代に、映画『ブレードランナー』や『AKIRA』などが荒廃した未来都市のイメージを提示したけれど、その後に続く未来都市像というとあまりパッとしたものではなかったように思う。その荒廃した未来都市のイメージを、この『東京デッドクルージング』は更新しようという意志が感じられる。この作品で描かれた東京をひと言で表すなら、

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  • 深町秋生の序二段日記

    その日はすでに嫌な予感がしていた。幕張のサマーソニック08に行ってきた。 愛するPerfumeのライブだというのにとにかく億劫だった。どう考えてもかなり辛いものになるであろうという予測しかできなかったのだ。で、現実にそうなった。 Perfumeはダンスステージで12:30スタート。持ち時間はたったの30分くらい。人気絶頂のアイドルグループを狭いほうのステージで登場させればどうなるかも、ある程度わかっていたつもりだが、やはりえらいことになった。 私はステージに向かって右側にいたので、それほど圧縮はきつくなかったのだが、あまりに人がぎちぎちに入ったおかげでライブ中に将棋倒しが起きたらしい。ちょうど現在ヒット曲の「love the world」中だ。こちらが詳しい。 http://d.hatena.ne.jp/loving_rabbit/20080809/1218336699(8/9 SUMME

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    bunoum
    bunoum 2008/08/14
    「フェスティバル形式のライブにやってきた初めての客は「あのグループのライブはあんなものか」と判断し、ファンは激烈なチケット争奪戦や毎度ぎちぎちな高密度の圧縮ライブに疲弊しつつある。」
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    サムライ映画の虜になってしまった映画評論家が放つ「根的に間違っているけど問答無用でおもしろい」大傑作! 「映画秘宝 9月号」柳下毅一郎の新刊レビュー ちくしょー、柳下さんに先を越された! 今月の映画秘宝の書評欄で、スティーヴン・ハンターの傑作「四十七人目の男」を取り上げてらっしゃった。今、(一部の)ミステリファンの話題をかっさらっている作品なのだ。 「キル・ビル」や「リトルトーキョー殺人課」をも超えるあやしげなニッポンが炸裂するというそういう作品であります。しかしなんだってハンターが……。 S・ハンターは高級紙ワシントン・ポストで映画評を担当。ピュリッツァー賞を受賞する映画評論家であり、「このミス」海外版では「極大射程」で1位をゲットする常連ランカー。その「極大射程」もマーク・ウォルバーグ主演「ザ・シューター」として映画化されるなど高名な冒険小説家だ。 しかし最近の工業製品化したハリウッ

    深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2008/07/31
  • 深町秋生の序二段日記

    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080711-00000006-nks-ent&kz=ent(不倫騒動モナ謹慎、たけしの顔に泥塗った) 恐ろしく不愉快。なにがって、不倫なんかどうだっていいだろう。いちいち司会者に聖性を求めるのも不愉快。ジャリタレがニュース読む時代に、情報番組なんぞになにを期待してるんだ。モナ頑張れ。 だいたい朝の情報番組でえらっそうにモノ語ってる水道屋のオヤジのほうが罪深いけど。 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%81%BF%E3%81%AE%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%9F%E3%80%80%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%80%80%E8%AB%87%E5%90%88&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A

    深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2008/07/12
    「朝の情報番組でえらっそうにモノ語ってる水道屋のオヤジのほうが罪深い」いいですかお嬢さんよく聞いてくださいよ。節水で1円2円を切り詰めてる我々一般庶民は水道メーター談合に本気で怒ってる!ほっとけない!
  • 深町秋生の序二段日記

    エコや燃料高騰で自動車が話題になることが多い。 月末となるとガソリンスタンドが大混雑する風景が、新しい郊外の風景として定着しそうだ。月が変わるたびに値上げされているのだから。先月も道路に行列の車がはみ出していて、いたるところの街道に給油待ち渋滞ができていた。 ただでさえ自殺者が多い(凶悪事件なんかさっぱり起きない平和な町だけど、とにかく自殺とひき逃げだけは毎日のように起きている)貧乏タウンだというのに、ガソリンの値上げは地元民にとってかなり痛い。なにしろ自動車がなければどこにも移動できないからだ。 かつて自動車は個人主義のアイコンであり、アメリカ的な自由を示す代表的なアイテムだった。戦後は「おれもいつかは自家用車を」と誰しもが夢を持ち、バブル期は「いつかはアウディ、いつかはパジェロ」とかに変わっていった。車はずっと成功の象徴でもあったのだ。そしてそのころになると誰もが持っているものとの前提

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    そういえば麻草さんのマンガ解説がおもしろかった。 http://d.hatena.ne.jp/screammachine/20080428(そのマンガ、当にわかってる?) この解説は描き手ならではのもので、一度もマンガを描いたことのない私にはとても新鮮だった。効果線の用い方や人物の動き一つで印象ががらりと変わるのだなあと、マンガの奥深さに触れたような気がした。 これを読んで私も真似をしたくなった。まあ私のフィールドとなると小説である。小説のポイントというのをひとつ提示しておこうと思う。 80年代終わりのころに故中島らもは、小説という媒体は近いうちに滅ぶのではないかとエッセイで書いていた。活字離れがすでに進行していたし、映画テレビという強力かつ多くの情報がつまった媒体が進化した現代では、活字というのは恐竜のように自然と淘汰されていくのではないかという話だった。 昔、それを読んだときは「な

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    こんな愉快なメールが届いたよ! Amazon.co.jpからのお知らせ いつもAmazon.co.jpをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 お客様よりご注文いただきました以下の商品についてお知らせがございます。 GAME(DVD付) 【初回限定盤】 こちらの商品は、入荷に遅れが生じており、現在もAmazon.co.jpに未入荷の状況 となっております。お客様には長らくお待たせしまして申し訳ございませんが、 こちらの商品に関しましては4月18日頃の入荷を予定しておりますので、ご理解い ただければ幸いでございます。 予定よりも早く商品が入荷した場合には、早急に発送手続きを開始させていただ きます。ただし、発送方法に「一括発送」をご指定のうえ、他の商品とご注文さ れている場合につきましては、すべてのご注文商品が揃いしだい、発送作業を進 めさせていただきますので、あらかじめご了承ください。

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    bunoum 2008/04/20
    「ちくしょう……おれの住んでるところは、新品CD売ってる店なんかねえのに!!(ブックオフも死ね!)」
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    速水健朗さんの「自分探しが止まらない」を読んだ。 読み終えたあとに感じたのは恐怖だった。この感覚は斎藤貴男の傑作ルポ「カルト資主義」でも感じたが、現代日に覆う得体の知れないものの正体に肉迫しているように思える。凡庸な表現になるが、これこそが警鐘を鳴らしてくれる「社会の木鐸」というやつなのだろう。 ただ違和感を覚えたのは帯だ。バックパック背負った若者とゴス娘のヘタウマイラストがあって、「こんな若者にはもううんざり」と挑発的な文句が並んでいる。これはベストセラー新書の「他人を見下す若者たち」とかにならったものなのかは知らないが(こっちの著者名も速水だ)、の内容と乖離した帯は、宣伝になるどころか上滑りするだけではないかと思う。あれは「こんな若者につけこむ輩にはもううんざり」とすべきだったのだ。でもこれじゃあまり宣伝にはならないのか。 http://d.hatena.ne.jp/S2D2/2

    bunoum
    bunoum 2008/02/22
    「これを読めば搾取の仕組みがわかる。木鐸を使えば環境にもやさしい」「で? いくらでお前は売りつけるつもりだ」
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    最近は広島や神戸や大阪や東京と、あっちこっち旅に出ていた。今日はふつうのエッセイ。 まあどこに行ってもマックがあり、吉牛があり、ブックオフがあったりと、その街の特色みたいなものは段々減っているとよく言われる。しかしそれでも街の地形や方言などはそう変わるはずもなく、その土地の個性的な香りを感じさせてくれる。 中でも面白いのは街の町名である。市町村合併でこれもまた減ってはいるものの、一番その土地らしいフレーバーを保有していて、なんともいえない味わいがある。広島市なんかはこんな感じだ。 「猿猴橋町」(広島駅前のあたり。えんこうばしと読む) 「胡町」(広島三越があるあたり。繁華街の入口。えびすちょうと読む) 「紙屋町」(繁華街どまんなか。かみやちょう) 「流川町」(飲み屋街。ながれがわ) 一番の繁華街が「紙屋町」である。椎名誠のSF造語みたいな風情ある言葉だ。実際、路面電車と川に囲まれていて、ノス

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  • 深町秋生の序二段日記

    今年のトホホ映画は先日DVDで見た「俺は、君のためにこそ死ににいく」だった。 感想は真魚八重子さんと侍功夫さんと同じ。 http://d.hatena.ne.jp/samurai_kung_fu/20070528#p1(死んだ日人だけがイイ日人だ!「俺は、君のためにこそ死ににいく」 ゾンビ・カンフー・ロックンロール) http://d.hatena.ne.jp/anutpanna/20070531#p1(俺は、君のためにこそ死ににいく アヌトパンナ・アニルッダ) 一言でいえば、ただ「ああもっとガキどもがロボットみたいにつべこべ言わずに従えばいいのになあ」という傲慢な老人の妄想映画である。当にカルト宗教が作ったようだった。 あまりに不愉快だったので、同じ戦争映画の82年東映製作「大日帝国」を見返した。数年ぶりに見たが、いやはややはり凄まじい。丹波哲郎、夏目雅子、三浦友和、篠田三郎、若

  • 深町秋生の序二段日記

    橋下弁護士の立候補で慄然としたのは、やしきたかじんや島田シンスケに電話でおうかがいを立てたという件だった。彼らに「やれ」といわれたから出馬を決めたらしい。 なんだろう。他の世界だったら袋叩きに遭う話ではないか。「や、出ないつもりでしたけど、医師会の理事長が出ろというものですから」とか「労組の書記長が出馬を許してくれましたから。最初は出るつもりはなかったんですけど」なんて会見する馬鹿がどこにいるというのだ。 しかしまあタレント議員にはうんざりだ。しかしネットやメディアで「なぜ自公はタレント候補を立てるのか!」なんて怒りの意見を見かけるが、それはちょっと違うと思う。自公だからタレント候補を立てるのだ。 自民党はあらゆる大組織とつるんで生きてきた歴史がある。郵政、金融、土建、農業、漁業、医者、製薬会社、防衛、パチンコ警察、暴力団。つるめなかったのは労組とインテリぐらいだろう。しかし小泉安倍のネオ

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  • 深町秋生の序二段日記

    昭和30年代の暗黒史特集を今月の「映画秘宝」に書いたが、残念ながら字数の都合上漏れてしまった凄まじい事件がある。今日は一つ紹介したい。 昭和32年(1957)の有名な出来事にジラード事件というのがある。若いGIが面白半分に日人のおばちゃんを追い駆けていってハンティングしてしまったという凶悪事件だ。で、なにしろアメリカ兵なので、ムショにも放り込まれずアメリカに帰ってしまい、日人大激怒となったのだが、そのあたりはぜひ今月の映画秘宝誌を読んでいただきたい。だが同年にはもっとひどい事件が起きている。 8月、茨城県の米軍飛行場から500メートル離れた地点でちゃりんこに乗っていた日人女性の身体が胴体のあたりから真っ二つに裂かれた。同様に女性の息子である20代男性も腹部に重傷を負った。飛行場から飛び立ったL22連絡機の翼が彼女らに衝突したのだ。米軍は猛暑による熱気流で起こった不可抗力の事故と主張し

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  • 深町秋生の序二段日記

    昭和30年代が好きだ。 なぜならそこにあるのは混沌と暗黒の世界。右翼はいつ起きるかわからない革命に怯えて政治家や出版社を襲い、左翼は大勢で道端や国会や大学で暴れまくった。長嶋が天皇の前でホームランを打っていた頃に、熊の漁民は有機水銀たっぷりの魚をべて苦悶していた。正義のヒーロー力道山はドラッグと酒にトチ狂い、目の前にあるものすべてをぶん殴った。 高度成長期の東京はオリンピックに向けて大工事。騒音と埃と神風トラック、神風タクシーが行きかうやかましい街だった。増える車の台数に道がおっつかず、そこいらで大渋滞が起きていた。環境保護という概念は確立されてはいないために、煙突からは有害な黒い煙がもくもくと吐かれ、東京湾には得体の知れない物質の混じった廃液が垂れ流し。 輸送に明け暮れる国鉄は鶴見と三河島と宇和島で大事故を起こし、100人単位で乗客をあの世に送った。戦争の苦しみを知っていた規律正しい

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  • 深町秋生の序二段日記

    たくさんの人があの事件のお父さんを、「気の毒な被害者の方」という目では見ていないようだ。正直に告白すれば私もだ。 そもそも事件自体も不明な点がたくさんあるので、何一つ断定的なことなど言えるはずもないが、どういうわけか数段階を吹っ飛ばして金田一君ばりの推理を展開しているブログもあちこちにある。そしてこういう騒動も起きた。 http://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20071121-286130.html(星野奈津子が不適切発言で活動停止処分) 「『絶対にあれは○○の仕業!』という話題で持ちきり」などと書いてしまったらしい。この星野嬢(誰だか知らんが)のうかつさは相当なものだが、あまり責めることができない。なぜならメディアが言ってるのだもの。「あいつは被害者以上の何かさ」と。なんの犯罪なのかもわからないというのに。 犯罪というものは概

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  • 獣欲のペッパーランチ - 深町秋生の序二段日記

    http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070516it04.htm 「獣欲のペッパーランチ 肉まみれの暴行」「肉棒ステーキ 暴虐の汁」「大阪鉄板暴行 熱いのは堪忍!」「浪速極悪レイパー 肉や! 肉や!」 なんて半日もペッパーランチ心斎橋店について考えていた。想像の範疇を超えるブレーキのない犯罪に軽いエクスタシーを覚えてしまった。 なんにしても関西地方らしい猛々しさと猥雑さを凝縮したような犯罪である。亀田家的で清原的で青木雄二のマンガから抜け出したようなぐちゃぐちゃかつストレートな世界だ。オメーコステーキとかワレメファイナンスとか破綻信用金庫とかそういう混沌を感じてしまった。マルクス読まんかい。 近年の犯罪は大体のところ、想像範囲内におさまることが多い。スクールシューターのチョ・スンヒにしても、町田の女子中学生殺しにしても、福島の母親殺しにしても、

    獣欲のペッパーランチ - 深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2007/05/18
    「そして、自分達の嫌いな客に対しては、キッチンの下に隠してある正体不明の液体を取り出し料理に、その液体を足したりしている!!」http://www.j-cast.com/2007/05/17007706.html