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ブックマーク / www.axis-cafe.net (12)

  • 暴力装置 - おおやにき

    いやいや何を言っているんだ自衛隊は国家の暴力装置に決まってるだろう(参照:「仙谷氏「自衛隊は暴力装置」 参院予算委で発言、撤回」(asahi.com))。国家が(ほぼ)独占的に保有する暴力こそがその強制力の保証だというのは政治学にせよ法哲学にせよ基中の基であり、その中心をなすのが「外向きの暴力」としての軍隊と「内向きの暴力」としての警察である。で、日では主として歴史的経緯によりこの両者が相当明確に区別され、かつ現実的にもあまり仲が良かったり悪かったりという話があるわけだが(戦前ならゴーストップ事件が典型ね)、フランスやイタリアにある国家憲兵隊制度や、発展途上国に多い警察軍制度に示されているように暴力としての質に違いがあるわけではなく向きを変えれば同じものであると、そう整理されることになる。 その上で、まあ法哲学的にはゆえに国家は質的に悪であるとする立場と、しかしこの暴力抜きには社

    bunoum
    bunoum 2010/11/19
  • 続・おばけ高齢者 - おおやにき

    ようやく前期の講義に関する事務処理が終わったら夏も終わりかけている件について(涙)。さて書類上生き続けていることになっている「おばけ高齢者」の問題については前に一度書いたのだが、その後も続々と事例が出てきているようであり、ついには戸籍上200歳超の老人がいることが判明などと記録競争の様相を呈している。前に『思想地図』の対談で、親の死亡を隠して年金を受け取り続けていた40代無職男性だかの事例に笠井潔先生が言及しており、それは若年層の不正規雇用化などによって今後こういう事例が続々と出てくるという予言でそのとおりだなと思ったものの、まさかそれより先に高齢者が超高齢者をい物にしている話が露見してくるとは思わなかったよなと。 しかし繰り返して言うが、同じように「書類上は生き続けている」事例にも (1)住民基台帳上も生きているので年金等の不正受給に直結しているケースと、(2)戸籍上だけ残っているケ

  • もと首相・補足 - おおやにき

    なんかアイスランドの噴火で飛行機が飛ばないので江田五月・参院議長の派遣は見送りだそうで、うんまあその方がいいんじゃない。みんな納得する理由だし。というわけで前のエントリに多少補足を。 まず他に候補者はいなかったのかという点。非=自民の総理大臣経験者というと存命なのは細川護煕・羽田孜・村山富市の三氏、微妙なのは海部俊樹氏かな。このうち海部氏は首相時も政界引退時点も自民党で、そのあいだに小沢氏に担がれて新進党を結成し、自由党まで付き合ったあと袂を分かって保守党・保守新党から自民党復党という経緯なので、まあ現自民党の元総理と同じくらい頼みにくいんだろうな。 羽田氏についてはその種の問題はなさそうだけど、とにかく脳梗塞の後遺症があるという話で、首班指名投票の時も演壇に登れなかったくらいだからこれは体調の問題でしょう。細川・村山両氏については特段そういう話もなさそうなので、純粋に高齢で体力面の懸念が

  • もと首相 - おおやにき

    ポーランド大統領の国葬に江田五月・参院議長を代表として送ることにしたそうですが、その理由が自民党の元首相たちに頼めないからってえあたりが素晴らしい。ああもう当にダメの子なんだなあ(「自民の首相経験者に頼めず...ポーランド国葬に江田議長」asahi.com)。 こういうものは国際儀礼なので、いくら当人の思いとしては弔意を尽しているつもりであっても花柄の服を来て日で通夜に行ってはいけないのと同様、相手方が納得するような形式を整えることが最重要で、その点国会議長というのはまあ三権の長だから最低限失格ではないと思うけどなんでって話にはなる。外交を直接担当している行政府の長でも、大統領や君主のように国家の象徴としての機能を担っている人でもないんだから。しかも参議院というのは、もちろん日では対等ということになっているけれども常識的に民主的正統性において劣後する院、上院ですわな。同じ上院同士のお

  • 料理の日 - おおやにき

    というわけで疲れているので料理をする(挨拶)。まあ気合いを入れるのはスパイスが一番であろうということで、カレー二種とサラダ二種。 まずベンガル風海老カレー。簡単に言うとスパイスを絡めたエビを炒め、その油でタマネギのスライスを炒め、エビを戻して水を加えて煮込む。とろみのつく材料はないのでさらっとしたルーで、カルダモンが多めなので柑橘系っぽい風味の強い少し変わった感覚になる。黒川あづさ『アジ玉』2巻(中央公論新社)のレシピが基。 続いてダールカレー。皮なしのムング・ダール(緑豆)を煮いて、別鍋で熱した油(スパイスとタマネギを炒めてある)を注いで香りを付けるという作り方。ムング・ダールは豆の状態から簡単に煮えるので(あらかじめ水に漬けておく必要がない)、あまり時間をかけずにできる。おすすめ。こちらはチリをあまりいれていないので柔らかい味になっている。上に載せたのは生姜の千切り。 これに合わせる

    bunoum
    bunoum 2009/02/16
    南欧でいうロシア風ポテトサラダは、ロシア由来の料理ではなくて、マヨネーズで白くなっているのが雪の大地を思わせるためのネーミングだという説を本で読んだ
  • 雑感 - おおやにき

    来週のプレゼンテーションの打ち合わせ → 会議6時間、途中で前年度実績の分析報告 → 来週用のプレゼンテーション作って終わったら午前3時半。企画課のリーマンか私は(挨拶)。 というわけで疲弊したので少し晩酌。ジョッキに氷とともに入っているのはホッピーではなく、ビアラオというラオス製ビールです(他にあるのかは知らない)。冷蔵庫がまだ十分ではないせいだと思うのですが、現地ではよくこうして氷に注いで飲みます。まあ邪道ですが、暑い中でこうして薄まった軽いビールをぐびぐびやるのもなかなか風情のあるものでした。ビール自体はアルコール5%程度の、まあ軽いけどそれほど不思議ではない味のものです。指導している大学院生(と言ってもラオスの職業裁判官ですが)からお年賀にもらったのでありがたく堪能しました。というわけで、雑感。 AとBが対立している場面において、「Aを絶対善だと考えるな」という主張が「Bが絶対善で

  • 幻想の共同体 - おおやにき

    実家に寄ったので読売を読んでいたら、秋葉原の連続殺傷事件は人を取り替えのきく部品のように扱う現代社会の帰結で犯人を暖かく包む伝統社会とか共同体とかがあれば起きなかったのではとか書いている人がいてええと津山三十人殺しってどういう時代に起きたんだっけ(挨拶)。世話好きおばさんがいたら非モテでもお嫁さんとか来てくれて幸せになれたのではとかいう趣旨のことが書いてあったような気がするんだけど、匿名性が高くて属性を隠蔽できるネット上の掲示板ですら「こいつなんかヘン」だと気付かれちゃうような人間の居場所が閉鎖的で固定的な共同体にあるわけないじゃん。村中から後ろ指差されて違う形で暴発してただけなんじゃないの、とは思うところ。 というか現代社会が行為や所属の領域を分断することによって「ちょっとヘン」な人がそのヘンさを日常とは違うところで表現したり発散したり、とにかく周囲の社会には気付かれずに平穏無事に生きて

  • タクシーとマッチポンプ - おおやにき

    いや終電後にタクシーで帰宅する霞ヶ関のなかの人たちがビールだのおつまみだの商品券だのをもらっていたという一件。正直そういうタクシーの使い方をしたことがほとんどないのでよくわからないのだが(というのは別に清廉潔白を気取るわけではなくタクシーチケットのもらえる仕事でもできるだけ自腹で地下鉄を使って移動するようにしているくらいタクシーというものが好きではないので、まあ必要なら使うのだがとにかく相手が気を遣って話しかけてきたりするのに対応しないといけないようなシチュエーションが嫌いで床屋も会話がないのを狙って安いところに行くとかおねえちゃんと楽しい会話のできる飲み屋さんとかに絶対自分からは行かないとかとにかく偏屈な人間だからなのであるが)、普通に都心から長距離で乗ればよくあるサービスだという人がいてそうかなと思い、しかし現金とか商品券はやはり割り戻しであってまずいのではないかと思うとスタンプカード

  • 青少年ネット規制法案 - おおやにき

    というわけでいずこからか法案が送られてきたので検討してみたよ(挨拶)。この忙しいのに何でこんなことに orz と思わなくもないが、まあ心配している人多そうなので。とりあえずみんなが不安に思いそうなところは検討できたかと思うけど、必要があればこのエントリに加筆していきます。ので、特定時点での私の見解を確定させたい人はお手数ですが魚拓でも取ってください。削除の必要があれば見え消しでやります。 以下まず注意点。 私がもらった法案が物かどうか、私は知りません(偽物だという証拠もないが)。よそでやはり検討を加えている人と同じものを見ているのかどうかも、私にはわかりません。法案を見て気になっている人は、私が検討対象にしているものが自分の見ているものと同じかどうか確認しながら読むことを勧めます。 主として法技術上の論点に絞って検討します。また以下自民党案(とされているもの、以下略)を中心的に検討し、民

  • 法は守るべきか - おおやにき

    とりあえずホテルが公的施設だという意見は初めて聞きました(挨拶)。あのね、朝日新聞の論説委員さまがお泊まりになるようなホテルのロビーにホームレスが入ってきたら出ていってもらうだろうし論説委員さまもそれを期待するでしょ? たとえそのホームレスがロビーでコーヒーを飲みに来たと主張して実際に二三千円出して見せても追い出すでしょ? それが許される施設のどこが「公的」なんだよというか法的独占も競争規制もない私企業が「公的」なわけないだろというか。なお参照、朝日新聞社説2008年2月2日。 というわけでこの問題についていうと、「表現の自由」とか憲法的問題は微塵くらいしか関係なくて(いやまあそれは我々私人も憲法的価値を尊重した方が望ましいかもしれないね、というくらいには関係ある——のだが「憲法は公権力を縛るためのもので私人がそれによって義務を負わされるのはおかしい」主義の人にとっては微塵も関係なくなるは

  • 健全な懐疑 - おおやにき

    竹熊健太郎氏が「ブログからの盗用疑惑」(Sankei WEB)と題して「サブカル作家でテレビ出演も多いK氏」の盗用疑惑について書いているのだが明らかに唐沢俊一氏のことであって隠すこともあるまいと思う。というか当に盗用したのか偶然の一致なのかの判断が著作物というものの性質上微妙なものであるとするならできるだけ個々の読者が直接に双方の著作物を比較してそれぞれの結論を持つべきなのであって、だとすればここは名前を隠してはいけないところだろう。 問題になっている記述について言うと、先に公開されていたブログ(漫棚通信)の記述と唐沢氏の著作の問題となった部分の客観的な類似性は否定できない、というかまったく同一の部分さえあるのでその点は明らかであり、問題はそれが故意の「盗用」なのか、参照したことを忘れたとか引用元を明記することを失念したなど過失の問題なのかという点に帰着するだろう。でまあその点については

    bunoum
    bunoum 2007/06/18
    著作権非親告罪化の件に関して
  • 最低投票率の問題 - おおやにき

    どうも最近疲れているので神経に触るものをできるだけ見ないようにしており、というわけで新聞の社説とか投書欄とか読むはずがないわけですがなにか(挨拶)。特に後者については従来よりその無意味さが指摘されてきたわけであるがブログでもSNSでもいいけどこれだけ普通の人が世間様に対してモノを書く手段が増えてきたご時世においてなおあの投書欄という制度に固執する人々の欲望のありかというものは考えても良いことだと思う。つうかたまに目に入ると決まって同じ人が書いてるような気がするんだけど気のせいだよなきっと。 しかし憲法改正に関する国民投票法案をめぐっては、こちらが危険地帯を歩かないようにしていても組合のチラシだのメイルだので目に入ってしまうのであった。与党修正案が衆議院で可決されたことを踏まえて、特にそれが投票の成立する最低投票率を定めていない点が批判されている。朝日新聞4月19日社説「国民投票法案—最低投

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