「情報産業の未来図」と称して、この一年を締めくくる内容をと考えると、どうしても、今回の経済情勢の問題をはずして考えられません。 今回の経済危機そのものについては、既に多くの解説がなされていると思いますが、ここでは、ITとの関係を想起させるという意味で、特に印象に残った、水野和夫「金融大崩壊〜アメリカ金融帝国の終焉〜」と岩井克人「基軸通貨ドルの退位する日」(文藝春秋信念1月号)の二つを簡単に紹介したいと思います。 特に、この二つの論考の中でも、現在の経済危機とITに絡みそうなポイントを3つほど、拾ってみようかなと。 1.IT革命と時価会計システム 今回の経済危機が米国のサブプライムローンに端を発していることは論を待ちません。加えて、米国が世界中の資金を海外から集め、それを世界に再分配する仕組みを確立していたために、米国内のサブプライムローンの破綻が、世界中にいっぺんに波及したことも、つとに語
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