北海道大学総合博物館教授の小林快次氏は、日本を代表する恐竜研究者だ。昨年には、北海道むかわ町でほぼ全身の骨格が保存された化石が発見されていた鳥脚類・カムイサウルス(通称「むかわ竜」)を新種報告。カムイサウルスは昨年夏に国立科学博物館で開催された「恐竜博2019 THE DINOSAUR EXPO 2019」でも目玉展示となった。 1億6000万年以上も地球上で繁栄を続けながら、約6600万年前に鳥類を除いて絶滅してしまった生物・恐竜。筆者は本来、中国事情を専門分野にしているが、一介のファンとして恐竜が大好きである。そこで4月10日発売の『文藝春秋』5月号「令和の開拓者たち」コーナーで、10ページにわたり小林氏の評伝を担当した。 今回の『文春オンライン』記事は、1月上旬の取材時の小林氏とのやりとりを対談風に書き直したものである。100年に1度とも言われる感染症のパンデミックが世界を覆う現在。