ドイツの政治家が日本の安全保障を語るのは、日本の政治家がドイツの安全保障を語るのと同じくらい珍しいことです。シュレーダーと正反対で、人権を重視し、対米協調を訴えるメルケルの登場は、世界の政治状況を考えるとき、単なる政権交代というよりは、政変に近いインパクトを持つと思われます。 中国包囲網 EUの機関車であるドイツにメルケル政権が生まれることで、極東の政治情勢はどう変化するのでしょうか? 今月17日、アメリカは中国に人民元切り上げを期限付きで迫りましたが、これは純粋に経済的な理由だけではないと言われています。その2日前になされた、北朝鮮に経済制裁をすることはないという中国の声明に対する牽制を兼ねているというのは多分事実でしょう。 民主主義の伝道師を自認するブッシュアメリカにとって、核兵器を手にした独裁国家北朝鮮は、筋を通すのであれば絶対に打倒しなければならない対象です。しかし武力行使は現実的