足の裏から火を噴き出して飛び、へその蓋を開けて、家のコンセントにプラグをつなぎ、エネルギーを供給される。お尻からは機関銃が飛び出し、銃弾を発射する怪力の少年ロボット『少年アトム』を覚えている人は、この漫画を描いた手塚治虫という日本人に、極めて複雑な感情を持っているはずだ。 今は『ポケットモンスター』が日本のアニメだということを承知の上で観ているが、3、40代の人たちは『少年アトム』が1979年までの28年間、日本で連載された『鉄腕アトム』の翻案であったことを知らなかった。『少年アトム』が実は日本の漫画だったという事実に、幼いながら裏切りに近い衝撃を覚えたものだ。 なぜなら、私はホ・ヨンマンの『カクシタル(嫁の仮面)』で代表される対日抗戦の時代劇を観て育った漫画少年だったためだ。 しかし、アトムだけではない。初めて私の神話的想像力を刺激した『火の鳥』や『ジャングル大帝』まで、すべてが日