岸田文雄政権は、新型コロナウイルスの感染症法上の区分を今春から、現在の「2類相当」から普通のインフルエンザなどと同じ「5類」にする方針だ。コロナ禍が始まって3年、ようやくインフル並みの対応でよくなると思えば、歓迎の声が上がるのも分かるが、死者数は今月だけで8000人にも上り、決して流行が終わったとは言えない状況だ。5類化された後、どんな社会になるのか。(宮畑譲、木原育子)
「肉球新党 猫の生活が第一」という変わった名前で、安倍政権の安全保障政策、改憲、原発再稼働への反対を訴える市民団体がある。「猫が幸せに暮らせる社会は、人にも優しい」という考えの下、全国の猫好きが集まって声を上げている。 (北條香子) きっかけは二〇一一年の東京電力福島第一原発事故。猫をはじめ多くの動物が被災地に取り残されたことを、川崎市に住む愛猫家の男性団体職員(55)が知り、「肉球新党」と名乗って反原発集会に参加し始めた。男性は、太平洋戦争で兵隊の防寒着などをつくるため飼い猫や犬を供出させられたことも知っており、安保関連法や自民党改憲草案にも反対する。 宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を基にした「東ニ解釈改憲ガアレバ/行ッテ猫パンチ/西ニ集団的自衛権容認アレバ/行ッテ爪ヲトギ」という横断幕を掲げたところ、ネット上で話題に。参加希望者が相次ぎ、一五年十月から組織的に活動するようになった。
雇用の安定を目指すはずのハローワーク(公共職業安定所)で、相談員などとして全国で働く非正規職員のうち、約一割に当たる二千二百人が、この三月末で職を失う。突然「雇い止め」を告げられた職員たちは、業務で失業者の相談に乗りつつ、自らも勤務時間外や休暇に職を探す事態となっている。四月以降、窓口が混乱しないか懸念する声も上がる。 (稲田雅文) 「窓口を訪れた人の中には、雇用保険や職業紹介以外の福祉サービスが必要な場合も。制度の知識と経験が求められる職場なんです」。東海地方のハローワークで、受け付け業務を担う非正規職員の五十代女性は訴える。二月下旬に突然、上司から「任期の更新はしない」と言われた。 職に就いて三年半。雇用保険の給付や職業紹介、訓練など、多種多様な制度への理解をようやく深めたところだった。案内をした人が帰り際に会釈をしてくれると「人の役に立てた」と感じる。退職金や賞与、夏季休暇もなくても
三月二十一~二十四日に東京ビッグサイト(東京都江東区)である世界最大級のアニメ総合イベント「東京国際アニメフェア」で、来場者のコスプレが解禁される。二十三日の実行委員会(実行委員長・猪瀬直樹知事)で決まった。 コスプレはこれまでも来場者の要望が多かったが、許諾を受けていない海賊版の衣装が出回っているため、著作権法に触れる可能性があるとして禁止していた。許諾商品を使うよう促し、海賊版は違反との注意喚起の展示もする。来場者が参加できるイベントにすることで楽しさを増し、日本発のサブカルチャーを海外にアピールする。 アニメ関連企業の商談を行うビジネスデーは、これまで一般来場者は入場できなかったが、就職を目指す学生向けのチケットを販売。就職セミナーも開く。 二十二日現在、出展企業は百八社、うち海外は七社。沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中間の問題を受け、中国からの出展はない。 昨年は、漫画などの性描写を規
日本維新の会の石原慎太郎代表は二十六日、本紙などのインタビューで、現時点で「原発ゼロ」を目指す考えがないことを明らかにした。 橋下徹代表代行(大阪市長)が「原発ゼロに向けてやる」と主張していることについて石原氏は「個人的な発言だと理解している」と、党方針ではないとの考えを示した。 原発を含むエネルギー政策については「どういう産業をどうやって盛り上げていくか考えなければ、(原発を)何パーセント残す、残さないという議論にならない。綿密な経済のシミュレーションをやった上で、(火力や水力との)エネルギーの配分を決めていくのが妥当だ」と述べた。 衆院選の対応については「自民、公明両党に過半数を取らさないように強力な『第二極』をつくらないといけない」と、自公の過半数獲得阻止を目指す考えを強調。その上で「強力なキャスチングボートを持ちたい。肝心なことを決めるのに過半数が要るなら協力する」と自民党と連携す
危険手当のピンハネなど除染の労働実態を訴える作業員ら(手前)=25日、福島県いわき市で(片山夏子撮影) 東京電力福島第一原発の収束作業をする作業員や除染作業員を支援しようと、労働問題に取り組む「被ばく労働を考えるネットワーク」が二十五日、福島県いわき市で第一回の相談会を開いた。除染作業員の男性らが訪れ、「国から支払われた特殊勤務手当(危険手当)がピンハネされている」と訴えた。 労働相談に訪れたのは、福島県田村市の国が除染を進める地域で、除染をした青森県の五十八~六十一歳の男性作業員五人。男性らは九月から約二カ月、約八百人の作業員とともに山の草刈りなど除染作業をした。国が除染を進める年間放射線量が高い地域では、危険手当が一日一万円ほど出るが、五人には支払われていなかったという。 五人は大手ゼネコンの三次下請け会社に勤務していた。「危険手当があるのを知った時は驚いた。どこでピンハネされているか
山中さんが研究費用の寄付を呼び掛けるインターネットサイトには続々と寄付が集まっている。発表から十八時間で二百人から百六十万円。寄付は一口五百円からで「山中先生の研究は生きる希望です」などのメッセージとともに小さな善意が積み重ねられている。 山中さんは、ネット上の寄付仲介サイト「ジャスト・ギビング・ジャパン」に参加。三月十一日、サイトでiPS細胞研究基金への支援を呼び掛けるため自ら京都マラソンを完走した。サイトにはこれまで一千万円以上の寄付が寄せられており、受賞決定からうなぎ上りに増えている。 「四歳の娘は病気で脳にダメージを受け、動くこともしゃべることもできません。先生の研究は私たちにとって生きる希望です」とiPS細胞の医療への応用を期待する人や、「記者会見のコメントに涙が出そうになりました」と山中さんの人柄に感銘を受けた人から、寄付が寄せられている。
「平等」を「びょうどう」と正確に読める都内の小学五年生は60・4%で、16・9%は「へいとう」と間違えていた-。都教育庁が十二日に発表した都独自の学力テスト結果から、日常会話でよく使われる熟語でも文字と読み方が結び付いていないことが分かった。 テストは、昨年七月、都内の公立学校の全小学五年生約九万二千人を対象に国語、社会、算数(数学)、理科の四教科で、中学二年生約七万二千人には英語を加えた五教科で実施した。 小学生では四教科とも、都教委が事前に想定した点数を取った生徒の割合が半数を超えた。最高は算数の68・5%で、最も低い社会でも51・9%だった。一方、中学生では、最も高い英語でも56・6%で、国語、数学、理科は半数を下回った。 小学生の国語で、「平等」の読みの正答率は二〇〇六年度の56・1%より4・3ポイント上昇。しかし、「きちんと」の修飾語がかかる被修飾語を正答できたのは31・3%にと
経済産業省原子力安全・保安院が、震災当日の十一日夜、東京電力福島第一原発事故に関して、三時間以内の「炉心溶融」を予測していたことが二十七日、分かった。また翌十二日未明には放射性ヨウ素や高いレベルの放射線を検出、原子炉の圧力を低下させる応急措置をとる方針が決まったが、実現するまでに半日も要した。政府文書や複数の政府当局者の話で判明した。
東日本大震災による大津波が発端となり、世界有数の原発事故を起こした東京電力福島第一原発。その設計や安全性の検証を担った東芝の元社員二人が本紙の取材に応じ、「設計時は、これほどの津波は想定していなかった」と証言した。東電の想定していた津波は最高で五・五メートル。実際には倍以上高い十四メートルを上回る大津波が押し寄せており、二人は設計に想定の甘さがあったと口をそろえる。 取材に応じたのは、一九七〇〜八〇年ごろに同原発の安全性を検証した元技術者の男性(63)と、七一年から順次稼働した同原発1〜3号機と、5〜6号機の設計に加わった元設計者の男性(69)。 タービンの安全性の検証に携わった元技術者は、原発の設計図の青焼きを見ながら「今回のような大津波やマグニチュード(M)9は、想像もできなかった」と振り返った。 元技術者は事故や地震が原因でタービンが壊れて飛んで炉を直撃する可能性を想定し、安全性が保
十一日以降も発生した余震で被害は拡大。ホールは一階席の一部などを残し、客席にホール天井の建材や軽量鉄骨が崩れ落ちた状態になった。
人工知能(AI)の基礎的な理論を使ってコンピューターに裁判の過程を考えさせようとする研究が国立情報学研究所で進められている。多くの要素が絡んだ複雑な裁判の過程でも、必要な手続きや証拠を誤ることなく判断できる。情報化する一方で人手が不足しているといわれる裁判の新しい力となるか。 (永井理) このソフトウエアはPROLEG(プロレグ)。例えば「請け負った工事の代金を支払え」というような訴えの中身と「請負契約をした」「工事が完了した」など主張に必要な事実(要件事実)を入力して実行すると、主張が認められるかどうか結論が出てくる。 プロレグは、裁判官が審理を進めるガイドラインとなる「要件事実論」というルールの体系をプログラム化したもの。AI研究で使われるProlog(プロログ)という言語で書かれている。「AIのプログラムと裁判の論の運び方には共通点がある」と開発者の国立情報学研究所の佐藤健教授は話す
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