今夏に迫った東京五輪・パラリンピック。その組織委員会の会長辞任劇は国内だけでなく世界からも注目されました。低迷する開催機運のさらなる逆風にもなっています。この騒動にスポーツアパレルを扱うドームで社長を務める安田秀一氏は大会組織委の問題から、日本社会に残る無意味な風習にまで考察を広げています。◇ ◇ ◇東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任しました。森氏の女性蔑視発言につ
森会長の話の関連で多く見られるコメントは、女性蔑視だとか国の恥だとかって森さんの発言や彼自身の価値観を批判するものばっかりだけどさ、 実際それほど年齢変わらないうちの田舎の爺さん婆さんは今じゃアウトな差別発言なんか日常的に使ってるし、男尊女卑だってかなり根強く残ってるなと感じるよ。 でも、それをいちいち指摘したり直したりしようとは思わない。だって昔はその価値観が正義だったんだから。「そういう世代だなぁ」としか思わん。たまに先進的な価値観の高齢者を見ると感心するけど、アップデート出来ない人をそこまで詰めても意味なくないか? 批判のなかで入り乱れてるけど、問題の本質はそういう価値観の老人が上に残り続けることと、彼の価値観や発言を誰も咎められない体制でしょ。 失言王とかそういうことじゃなくてさ、老人が上に残り続けることのおかしさについての議論に絞られてほしい。 森さんがすべきことの優先度は、まず
第二次世界大戦における旧日本軍のもっとも無謀な作戦であった「インパール作戦」惨敗の主因は、軍司令官の構想の愚劣と用兵の拙劣にあった。かつて陸軍航空本部映画報道班員として従軍したノンフィクション作家・高木俊朗氏は、戦争の実相を追求し、現代に多くのくみ取るべき教訓を与える執念のインパールシリーズを著した。 インパールを知らぬ世代、必読! シリーズ第3弾『全滅・憤死 インパール3』より、インパール盆地の湿地帯に投入された戦車支隊の悲劇を描く「全滅」の冒頭を一部紹介する。 (全3回の1回目。#2、#3を読む) ◆ ◆ ◆ 早々に過半の兵力を失う状況下で流れた噂 それまで勇将として畏敬されていた将軍が、暴将とか狂将といった評価に急変した。 ビルマ方面の日本軍を指揮した、第15軍司令官・牟田口廉也中将である。 昭和19年3月、多くの反対を押し切って、牟田口軍司令官がインパール作戦を強行した時は、一部で
PTAで苦しむ人をなくすべく、取材や執筆を続けてきました。しかし、それは実現可能なことなのでしょうか。 そもそもPTAという団体は、何をするために存在しているのか? 現在、多くのPTAが行っている活動から逆算すると、PTAの存在目的は「学校のお手伝い」「保護者の学び」「保護者同士の交流」「地域との橋渡し」などといえそうですが、果たしてそれらは皆「本来の目的」といえるものなのか? 本当はその名称のように、P(Parent)とT(Teacher)、すなわち保護者と学校が、対等に協力する場ではないのか? そんな疑問もありました。 そこでいったん、ゼロベースで考えてみたいのです。PTAのことはいったん脇において、P(Parent)とT(Teacher)、すなわち保護者と学校の間に必要なものは何なのか? どんな関係性が必要で、それはどのように実現できるのか? ということを。 そのため、学校現場をよく
11月3日、米外食大手マクドナルドのCEO兼社長が解任された。理由は「従業員と関係を持った」こと。妻とは離婚しており、相手とは合意に基づく関係だったという。人事ジャーナリストの溝上憲文氏は「アメリカの多くの企業は、管理職と社員との恋愛を禁止する厳しい規定があります。社内恋愛を問題視しない日本は特殊といってもいい」という——。 CEOが従業員と「合意のH」でクビになるワケ 11月3日、米外食大手のマクドナルドのスティーブ・イースターブルック最高経営責任者(CEO)兼社長が解任された。 その理由は「従業員と関係を持った」ことが社内規程に違反したからだという。ただし「合意に基づく関係だった」とし、イースターブルック氏は妻とは離婚していたと報じられている。ということは相手の女性から告発されたセクハラではないことになる。 しかし、同社の社内規程では「管理職以上の社員が上下関係にある他の社員と恋愛関係
アンパンとメロンパン 沖縄知事選挙を控えて、命題を提起しようと思う。 民意と選挙は似て非なる概念である。 民意と選挙は似て非なる概念である。 消費者がおにぎりを食べたいと思って買い物に出かけても、店頭にアンパンとメロンパンしかなければ、どちらかを買う以外に空腹を満たす方法はない。どちらかを選んだからといって、それが消費者の望み(民意)だとは言えない。 沖縄では、2010年の知事選挙でアンパンが選ばれた。知事はアンパンが沖縄の民意だとして県内経済をアンパンで埋め尽くした。 Photo by 岩本室佳 2014年の知事選挙では、一転してメロンパンが選ばれた。メロンパンを主張した知事はそれからほぼ4年間、メロンパン対策に県政の大半の資源を投下した。 Photo by 岩本室佳 沖縄選挙区の特徴であり問題点は、常に「経済発展」か「基地撤去」か、という二者択一に論点が矮小化されてしまうことだ。選挙の
いきなり、身もフタもなく言えば、「みんなが同じになろう」という「同調圧力」は、日本の宿痾(しゅくあ)です。「宿痾」おどろおどろしい漢字ですね。広辞苑さんによれば「ながい間なおらない病気」です。 もう少し正確に言うと、「同調圧力の強さ」と「自尊意識の低さ」が「宿痾」です。 「自尊意識」とは、自分を大切にし、自分をバカだと思わず、自分が生きていていいのかと疑問に思わず、自分の発言に自信がなくて言いたいことが言えないなんてことがない、自分はかけがえのない自分であるという意識です。 で、この二つがいきなり日本人は世界水準で低いです。低いとどういうことが起こるかというと――。 『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』(講談社現代新書)という本を書いたのですが、その中でこんなエピソードを紹介しました。 1945年8月2日、奥日光に疎開していた明仁皇太子が戦況の見通しを説明にきた陸軍中将に対して「
為末大さん(元陸上選手) 「上意下達」「個人より組織が優先」「気合と根性」を大切にする、いわゆる体育会的な空気が、社会と合っていた時代があったと思います。終身雇用の組織は組織も個人も守るけど、ともすれば仲間を守り切ることが何より優先されるムラ的な世界です。 日本のスポーツは、ある意味の社会人養成機関でした。だから、体育会はよかれと思って、ものすごく機能した時代がありました。 でもいまは、パワハラに繊細になり、イノベーションや自立が必要と言われている。「なぜ、悪者扱いされているんだろう」と、運動部出身の方たちが一番、世の中の流れに戸惑いを覚えているのかもしれません。 私自身は、中学校の陸上部の…
なぜ日大は炎上したのか? 原因は「オレはそんなこと言っていないおじさん」の存在:スピン経済の歩き方(1/6 ページ) 日大アメフト部が大炎上している。普段、大学にもアメフトにも危機管理にも関心のない人が、なぜこの問題に“参戦”しているのか。筆者の窪田順生氏は「オレはそんなこと言っていないおじさん」の存在を挙げている。どういう意味かというと……。 日大アメフト部の悪質タックル問題が、大騒ぎとなっている。 朝から晩まで、内田正人前監督と井上奨前コーチ、大塚吉兵衛学長の会見をエンドレスで流し、質問を打ち切ろうとした米倉久邦・顧問の思惑を分析、ついには新聞が「あの会見は信用できるか」なんて世論調査までおっ始めた。 テレビに出る専門家やコメンテーターのみなさんによれば、タックルをした選手が顔出し実名出しで立派な対応したことと対照的に、大学側の危機管理対応があまりにもひどいことが、社会の怒りを買ってい
Richard Lloyd Parry リチャード・ロイド・パリー 1969年生まれ。英「ザ・タイムズ」紙アジア編集長および東京支局長。20年以上、東京に暮らす。著書『黒い迷宮』は、米探偵作家クラブ(MWA)賞の「最優秀犯罪実話賞」およびサミュエル・ジョンソン賞の候補作に選ばれた 2011年3月、東日本大震災と続く津波で、1万9000人におよぶ人命が失われた。だが地震のとき小中学校にいた児童・生徒のほとんどは適切な避難で助かり、命を失ったのは1人だけだった。 その例外が、児童74人と教職員10人が犠牲になった石巻市立大川小学校(当時。以下、大川小)である。 いったい何が起こったのか。残された者は何を思ったのか。英紙「ザ・タイムズ」東京支局長のリチャード・ロイド・パリー氏は震災直後から現地に入り、大川小をめぐる取材を重ね、6年を経て著書『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』にまとめた。 同
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こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。 私が都民ファーストの会を離党して、20日間が経過を致しました。 この間に衆院選も終わりましたので、本日は目下のところ都政における最大の課題となっている「豊洲市場移転問題」について、これまでの私の政治的判断を総括させていただきたいと思います。 小池百合子知事が事実上率いる「都民ファーストの会」という組織の一員として、本件については思い悩みながらも、その時折で自分なりの最適と思える行動を取ってきました。 しかしながら、最終的に自分自身が都民ファーストの会を離党する運びとなり、移転の道筋にも多くの課題が立ちはだかっている現状を見れば、私の政治判断や行動にミスがあったことは疑いありません。 この点を真摯に認め、影響を与えた関係者・市場業者の方々、何より都民の皆さまには深くお詫び申し上げたいと思います。 誠に申し訳ありませんでした。 そしてこの反
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