3月に破綻したシリコンバレー銀行の幹部たちは、日本の金融機関との提携を試みていた。結局、その動きが頓挫したことで日本の銀行などは難を逃れたわけだが、それは同時に、日本に変化の必要性があることを浮き彫りにしたと英紙の日本特派員は指摘する。 シリコンバレー銀行と日本の関係性 シリコンバレー銀行(SVB)の幹部たちは2022年夏に東京を訪れた。都内の銀行や証券会社が立ち並ぶ地区に足を運ぶと、国内のベンチャーキャピタル(VC)業界に関する情報を収集し、日本有数の金融機関を相手に協議を開始。その後も足繁く東京を訪れて提携を模索したものの、具体的な話には進展せず、なんの収穫もなく米西海岸に戻った。 あくまでも慎重だった日本の金融機関はいまごろ、SVBとの提携に消極的でよかったと、ほっと胸をなでおろしているだろう。しかし、見方を変えれば、機会が失われたともいえる。さしあたっては、飛んでくる弾丸をかろうじ