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ブックマーク / masays.hatenadiary.org (14)

  • 違法ダウンロード罰則規定の整備に関する若干の意見 - 感量主導 ~ led by passion ~

    さて、件については先月、報道を受けてひとしきり祭りがあったところであります(報道のまとめについては→ こちら)。GW明けに向けて何か動きがあるかなぁとか予感がするので、とりあえず自分なりに考えをまとめておく気になったので、久しぶりにブログ更新いたします。こういうことはTwitterではやりにくいですからね。 まず、結論から言うと、現時点の案には反対であります。 というと、「では、違法ダウンロードの横行に手を加えて見ていろと言うのか」という、これまたコンテンツ産業側に立つ身としては肯定できない脊髄反射的反論があるので、詳しめに自分の考えを書いておきます。 まず、報道された以下の点をとりあえず前提にします。 ■今回なされようとしているのは違法ダウンロード行為に罰則を付ける措置 ■今次著作権法改正案を、自民、公明及び(賛成に転じた)民主党の議員提案にあわせて修正し、今国会で可決、成立させる。

    違法ダウンロード罰則規定の整備に関する若干の意見 - 感量主導 ~ led by passion ~
  • コンテンツ産業とひとくくりにしてはいけないこと - 感量主導 ~ led by passion ~

    mhattaさんというか、いわゆる八田さんが「アーティストのビジネスモデル」というコラムを書いていらっしゃる。なかなか含蓄が深いのでご一読あれ。 ただ、そこで指摘されていること自体は、コンテンツ産業の現場では周知のことである。小規模なファンコミュニティを構築して安定的なビジネスを作り、そしていつの日か大ヒットを目指す。この「大ヒットを目指す」というのはあってもなくてもいいのであって、少なくともアーティストのインセンティブ、モチベーションということなら、それが金銭的な大ボーナスを意味しなくても、有名になりさえすればよいというのかもしれない。こうした考え方は、特にシンガーソングライターの世界ではむしろ、経営の王道でもある。 レコード産業*1の構造調整は90年代後半から10年弱続いた。その間に、市場規模は前世紀の約6割ほどにまで収縮した*2。iTunesStoreが有料配信の道を開いたが、それは

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  • 公取がJASRACへ排除措置命令をだすとか - 感量主導 ~ led by passion ~

    公取がJASRACへテレビ局との包括契約について排除措置命令を出すという報道がそこかしこであった。うーん、なやむなぁ、これ。 JASRACの問題を考える時に、著作権等管理法の制定と統一データベース問題の矛盾というやつは避けて通れない。つまり、片方で市場経済の時代なんで競争だよねといって著作権法の指定により特別な地位を有していたJASRACが競争状態に置かれたわけだが、他方では同時にインターネットの普及によってむしろあるコンテンツがどこにあるかキチンと分からなければならないので統一的なデータベースの必要性が強まったということだ。言い方を変えれば、時代がJASRACを要請していた時に、別の理由でJASRACを解体したと。しかも市場支配率はそのままという、相当中途半端な方法でだ*1。 少なくとも、JASRACがその特別な地位を持っていた時代に結んだ包括契約を法的に問題視されるというのは少し驚きだ

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  • TVのネット化と映画のネット化 - 感量主導 ~ led by passion ~

    日経新聞などが報じたところによると、東宝と角川がNTT東西と組んで映画のネット配給*1に乗り出すことが決定したらしい。 日映画配給会社の垂直統合モデルを許してきた*2ので、むしろネット配給は米国より早く進んで良い*3と天秤は常々言ってきた。だから、予想の範囲で驚かないが、これを直営館以外の映画館に低ストレスで普及させる手法というのは、東宝や角川は考えているんだろうか? ま、考えていないだろう。 ネット配給をデフォルトにして、フィルム配給するならフィルム代をくれと系列外映画館にはいうのかもしれない*4。いる。しかしルーカスの挑戦も映画館業界の反発にあってうまくいかず、韓国や日でもそれほど進んでいたとは言えなかった。 どうせこの動きはNTTのNGN活用促進政策の上で起きている話なのだから、NTT映画館に映像配信設備の購入整備のための低利融資措置とか、設備の低価格リースサービスとかすれば

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  • 角川がYouTubeから得た1000万円は高いか安いか - 感量主導 ~ led by passion ~

    anime!anime!が報じているのだが、角川グループがYouTubeから1000万円/月の広告費を得られるようになったという。まさにご同慶の至りなのだが、さて、これは高いか安いか。 公開しているアニメ作品*1の量を考えると、その総収入がこれでは、安い。安すぎる。全くだめだ。 だが、実はこれがあまりダメでもないという見方もある。それは今のマニア向けアニメのビジネスモデルのせいだ。 今のマニア向けアニメのビジネスモデルは、放送(公開視聴といってもいいか)では全く収入が発生せず、それどころかテレビ局に広告費を払っている*2くらいだ。収入は関連グッズやDVD販売収入ということになる。 もし、YouTubeでの公開がテレビ放送に取って代わるものであるなら、この1000万円は偉大なる収入である。すばらしい。 だが、もしこのYouTubeでの収入がDVD販売収入と競合するものなら、この1000万円と

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  • 文化審議会でコミケについて語ったこと - 感量主導 ~ led by passion ~

    詳しくは文化庁から議事録が公開されると思うのでそちらをご覧頂くとして、予告通り日(27日)、コミケについて語ってきた。 天秤の主張の基ラインは、<コミケは産業基盤の一部でもある/コミケでの二次創作は著作権フリーだけの素材では成立し得ない/二次創作はその維持のために開放されるべきである/昨今の知財意識の高まりから二次創作者の萎縮効果を防ぐには「阿吽の呼吸」だけでなく何らかのルール定立が要る/ただしルールのあり方は著作権法改正よりは契約法や権利者の事前メッセージなど二次的でソフトな手法がよい>ということで相変わらず一貫している*1。 ここで、里中満智子大先生*2から、「コミケと言ってもきちんと『創作』する人は少数で、後は愛情のあまりのパロディ。コミケが全てきちんと『創作』する人の場であるかのように言うのはミスリード。あくまで前者を認めたから権利者はコミケ観を変えたのであって、後者の話はまた

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  • 文化審議会の中心でコミケを叫ぶ - 感量主導 ~ led by passion ~

    来週、文化審議会で、コミケにおける二次創作活動と著作権保護期間延長との関係について10分プレゼンをすることになって、その準備に追われている。 コミケとのつきあいはすでに四半世紀を超えているが、あの頃と今とではコミケは大きく変わっている。ゲリラ的な、自生していたイベントは、すでにニュースにも報じられる年二回の東京の名物イベントへと成長した。確かに手作り感が薄れてきた*1のは残念だが、子供だって大人になれば、無垢な笑顔とは違った魅力が出るものだ。そこは成長したのだと前向きに受け取ろう。 問題は、コミケにどういう意味づけを与えるか、なのだろう。意義ある役回りをいただいた。よく考えて*2プレゼンしたい。 *1:始発の有楽町駅から晴海へと小一時間テクテク歩いた日が懐かしい。あの頃は、会場に行って知り合い探して事務局に行くと、なぜかその場でトランシーバー渡されて会場整理人に突然されたりしたものだが、最

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  • 祝・ダビ10合意 - 感量主導 ~ led by passion ~

    ダビ10問題が妥結したようだ。私的録音・録画補償金問題とは分離した形で。権利者関係の方々の大人の対応を賞賛したい*1。また、事態が進んだ影には調整に奔走された方々*2のご苦労があると思うが、それも賞賛に値する。 ダビ10がベストとは、僕も思わない。だが、コピーワンス、それもコピーワンスだけというよりは遙かによい。だから、ダビ10が実施に移されることにとりあえず安堵した。 関係者の皆さん、お疲れ様でした。 . *1:人によっては、そもそもいったんは情通審で妥結した話を蒸し返したのだから賞賛なんてとんでもない、という意見もあるかもしれない。けれど、そうであっても、キチンと大人の対応ができたということはそのリカバリーになっている。だから、僕は賞賛したい。 *2:そのうちの幾人かは顔が浮かぶわけですが、当にいい仕事をされました。

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    copyright 2008/06/20
    この人の立場ならこう言うだろうな。
  • 私的録音録画補償金の拡大を消費者は望んでいない。だから? - 感量主導 ~ led by passion ~

    MIAUが実施していた私的録音録画補償金の拡張についてのアンケート結果が公開された。結果は、消費者は望んでいない。 そりゃそうだ。というのが第一の感想。 だから?というのが第二の感想だ。 消費者は、音楽や映像についての一方的受益者である。だから、ちょっと非道いことをいうなら、私的録音録画補償金を負担するどころか、一切合切無料であることを心の中で願っているだろう。私は、欽ちゃん映画が失敗したり*1、海賊版のメカニズムを研究してきた経緯から、コンテンツを支えるために自発的にお金を払おうという良心が消費者にあるという考え方を、かなり楽観的なフィクションだと斬り捨てている。 だから、このアンケートの結果は当たり前なのであって、ニュースとしての価値はない。右や左、上や下、手前と奥のバランスを常に求める天秤の館は、こういう一方的な情報にはなんら物事の正統性を認めない。 だが、このニュースは重大なマイル

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    copyright 2008/06/15
    まさにその通り。利用者をどうやって納得させるか、それが大事なのだ。納得できるだけの根拠を示さないから反発するんだ。利用者は黙って金を払えばいいんだ、という態度では誰も納得しないよ。もっと努力せよ。
  • ダビ10延期(確実)の報を見たこと - 感量主導 ~ led by passion ~

    で、今日はブログまたはじめますよ〜ってな宣言が目的なのだが、なんといっても気になったのはダビ10延期というニュースである。 この件に関して、両陣営のどちらかを批判する気は僕にはない。それは僕のカラーではない。ただ一つだけ嘆息せざるを得ないのは、また複製権が一人歩きしているなぁという思いに尽きる。 法政の白田准教授の労作のおかげか、プロならば当然承知しているはずの著作権法の歴史的経緯論*1からすれば素人の戯言なのだが、ここであえて著作者のために著作権はあるのだと考えてみる。すると、経済関係の仕事をしてきた身としては、消費者がコンテンツを消費する(利用する、視聴する)ことによる対価を創造者は受けるべきで、そのための制度として著作権法を考えてしまう。 著作権法があくまでオフラインのアナログメディアを前提にしている限り、利用、視聴の状況を捕捉することはできないので、次善の策としてメディアの複製を利

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  • あけおめ。そして著作権に関する結論めいたこと#1。 - 感量主導 ~ led by passion ~

    あけおめデス。今年は、試しにいろんな人に出す年賀メールを止めてみました。どうでしょうかね。 昨年は、コミケで一年が終わりました。中にはこのブログを読んで来て頂いた方もいて*1、嬉しい限りです。 印象的なお客さんに、2001年段階の基理論を手に取って頂き、「ちょっと内容が古いですね」と言われた方がいます(買って頂きましたが)。そりゃ2001年段階だからね。とはいいつつ、そこから先の議論をきちんとしていないというのは問題なんだよな。 一般に、役人が展開する論理は古いです。それは、確立した理論体系から引っ張ってきたり、或いは国内外を問わず論客の議論を持ち出して尻馬に乗っかったりするからですが、哀しいかな、どんな論客でも組織内ではせいぜい中間管理職という状況が生み出す組織人の限界だと僕は思っています。現場感覚のビビッドさよりも、論者の権威性を重視する上司に出会ってしまえばやむをえません。そして、

    あけおめ。そして著作権に関する結論めいたこと#1。 - 感量主導 ~ led by passion ~
  • 思いもよらず長文になって困った今日のカキコ - 感量主導 ~ led by passion ~

    年末に入っても書くべき原稿の数は一向に減らず、というか、増えてんじゃん!何の因果か学者をやってはいるものの、作家に転向した気はないのだが。 それはさておき、書きたいことが溜まったので、ざくっとコメント。 一つ。今年の10大ニュースというのをいろいろなところで訊かれる。コンテンツ分野だと、やれニコ動だとか、情報通信法構想だとかいろいろあって、それはそれぞれのところで見てもらえばいいのだが、タイミングの関係でかそれには永久に入らないだろうからここで書いておきたいことがある。コミックガンボの挑戦と敗退である。 コミックガンボは、国内初*1の無料週刊マンガ誌。僕もうなったのは、まずクオリティ。連載陣に江川達也などきちんとした人をそろえているし、僕の知らない名前の人でも中身としては納得できるものが多かった。次に、グラビア。クオリティはともかく、グラビアをきちんと入れていること自体に驚いていた。旧作を

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  • 世の中はいろいろ進むんだ、これが。 - 感量主導 ~ led by passion ~

    メインマシンであるiMacG5の電源が逝ってしまったことは痛恨の極みだ。ソフマップを通じて修理に出したら、電源ユニットなのにHDD初期化を了承せんと受付けないとか、3〜4週間かかるとか、すごいことを言われてさらにショック。次のマシンからは絶対にアップルケアを直接買うぞと腹をきめたのでした。 ・・・って、それじゃブログ更新の意味ないじゃん!! 今日は、お題を三つ書こう。 一つ。もう相当旧聞に属するのだが、津田大介さんや白田先生withロージナ茶会のみなさんなどがMIAU(インターネット先進ユーザーの会)を立ち上げた(HPはこちら)。私のようなブロードバンド後進ユーザには期待を込めて見守るしかないが、2000年頃から始まったコンテンツ制度革命の動きの中に、ついにジャコバン派が登場したなぁと感慨深い。 ここに至る一連の経緯の中で、津田さんの先鋭化はやはり特筆に値すると思う。正直、ITmediaな

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  • 境真良(実名登録)の  “とりあえず、前進!” - 誰がなんといおうとあの時の白田准教授はとてもカッコよかったのだ。

    今日は感動したので法政大学の白田先生を誉める。 15日、著作権法の保護期間延長問題を考えるフォーラムの第3回トークイベントがあった*1。その席で、会場から、パネリストの一人であった白田先生に向かってこういう主旨の発言があった。 「白田説(著作権思想の出発点はイギリスの印刷業者保護にある)は異端である。仏独の思想(著作権思想を著作者の人権に帰するもの。いわゆる大陸法系の思想)は日法に根を下ろしている。白田先生の世代の学者には立法に関与している*2もいるが、白田先生に声がかからないのは極端な、異端の説を叫んでいるからだ」 これに答えて、白田先生はこう告げた*3。 「自分が唱えている内容は、博士論文としても認められた、5年間の研究成果に基づいている。自分の信ずるところを唱えるのが学者である」 明快である。そして、僕にはとても正しいことのように思えた。 白田先生とは知らない仲ではない。日常的に見

    境真良(実名登録)の  “とりあえず、前進!” - 誰がなんといおうとあの時の白田准教授はとてもカッコよかったのだ。
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