kernel/vm探検隊 17回 @nullpo_head

概要 Optimal BizのWindows AgentはながらくVisual Studio 2005とVisual Studio 2015を併用してビルドする必要がありました。Visual Studio 2015化対応は2012年のVisual Studio 2012化対応からスタートしていましたが、対応範囲の大きさからモジュールごとにVisual Studio 2015化対応を行ってきました。そして2024年リリースのBiz 9.19.0にてVisual Studio 2015化対応は完了を迎えました。 しかし、埋め込まれたバグの修正にはCOMの理解が不可欠であったため、2020年代に突入した今になって私達はこれまで正面戦争を避けてきたCOMを0から学び直す必要がありました。そしてATLの不思議な挙動やSTAにおける再入との戦いを乗り越え、無事にリリースされました。 はじめに Opti
たぶん2023年一番お世話になったライブラリです。 2022年まではsimdjsonをよく使っていたのですが、新規プロジェクトはGlazeばかり使っています。 開発が活発だし、ISSUEへの対応が速いのもありがたいです。 良い点 SIMDを利用していないのにsimdjsonやyyjsonと遜色ない速度で動作する 構造体やクラスだけでなくSTLコンテナもJSONとの直接読み書きができる 中間データに独自バイナリ形式を利用してさらに高速化できる いまいちな点 長い文字列が多いJSONデータの読み込みではSIMDを使っているライブラリに対して不利になる 最後のフィールドのカンマやコメントの読み込みに対応していない ストリーム的な処理はない(と思う) 代替ライブラリ 似たようなアプローチでSIMDを使ってさらに速いJsonifierというライブラリがあります。 純粋な速度を求める場合にはこちらを使
この記事はC++アドベントカレンダー2023 25日目の記事です。ご参加の皆様お疲れ様でした! C++ Contracts C++20 Contracts 問題点とMVP(Minimum Viable Product) 最初のMVP仕様 関数の再宣言と契約注釈 引数の事後条件からの参照 契約条件式の副作用 C++26に向けたロードマップ 契約注釈のセマンティクス 違反ハンドラ 構文 C++26に向けて、残りの問題 2023年末時点でのMVP 参考文献 C++ Contracts ContractとはContract programmingの略称で、C++ ContractsとはC++における契約プログラミング機能を指す言葉です(sは付いたり付かなかったりします)。 C++ Contractsとは、契約プログラミングという考え方に基づいた設計(契約による設計)をより自然に行えるようにするため
How Bond Home Built In-House Observability & Why They Switched to Memfault | Wed, October 30th - 9AM PT | 12PM ET | RSVP Sometimes, C/C++ projects have a long development cycle. When working on such a project, it can be easy to take our development environment for granted, and forget about the effort invested in its bring-up. The build environment works like magic, the test framework is neatly int
リングバッファのイメージ図 1. リングバッファとは何か 機能的にはFirst In First Out (FIFO)とも呼ばれるキューの一種であるが、リング状にバッファを置いてそれの中でReadとWriteのインデックスがグルグルと回る構造をとる事によって容量に上限ができることと引き換えに高速な読み書き速度を得たものである。キューを単に実装するだけなら山ほど方法があって線形リストを使ってもいいしスタックを2つ使っても原理的には可能だ。その中でもリングバッファを用いた方法の利点はひとえに性能の高さでありメモリ確保などを行わないお陰でシステム系の様々な場所で使われている。 これの実装自体は情報系の大学生の演習レベルの難度であるが少し奥が深い。まずリングバッファのスタンダードなインタフェースと実装は以下のようなものである。 class RingBuffer { public: explicit
The Future of Boost (From Vinnie Falco) (2023-05-08 15:46:03) - Boost developers' mailing list Boost C++ Librariesのコンサルティング会社BoostProがなくなって以来、Boostはリーダー不在でふわふわした状態でした。 Boost.Beast作者のVinnie Falco氏が創設した新しい非営利団体The C++ Allianceでは、Boostを復権させるようBoostの基礎部分を刷新し、C++全般を支援していくことを主な目的としています。 この団体では、Boost.Asio作者のChristopher Kohlhoff氏を雇用し、フルタイムでオープンソース活動をできるようにしています。ほかにもスタッフエンジニアとして、Boostのリリースマネージャを長く続けているMars
発端 一年ほど前の@kaityo256さんの発言: うーん、A64fx、やっぱりモンテカルロは苦手っぽいなぁ。 — ロボ太 (@kaityo256) February 4, 2022 MT19937がコンパイル条件によっては極端に遅いという話だったが、調べようと思ったまま1年近くが経ってしまった。別件で調べていてわかったのは、 遅いのはstd::mt19937ではなくstd:: uniform_real_distributionの方(まぁモンテカルロやるなら確実に踏む) LLVMとlibstdc++のときにAarch64であれx86_64であれ発動する、libc++にすることで回避できる ということ。libstdc++とlibc++については を参照してください。 計測 とりあえずこんなソース: #include <iostream> #include <iomanip> #include
「C++」は非常に人気があるプログラミング言語だが、同言語の標準化に取り組んでいるグループが、C++の「メモリ安全性」を(新しいライバル言語である「Rust」のように)高めるための今後の道筋について議論する文書を発表した。 Rustは、MicrosoftやAmazon Web Services(AWS)、Meta、GoogleのAndroid Open Source Project、主にC++で書かれている「Chromium」プロジェクト(まだ始まったばかりだが)、Linuxカーネルなど、多くの企業やプロジェクトで採用されており、メモリ関連のセキュリティホールを減らすのに役立っている。最近では、米国家安全保障局(NSA)までが、開発者に対してC++からC#やJava、Ruby、Rust、Swiftへの戦略的な移行を促す事態になっている。 C++の生みの親であるBjarne Stroustr
この記事は C++ Advent Calendar 2022 23 日目の参加記事です。 Microsoft Visual Studio の C++ 標準ライブラリ (MSVC STL) は、2019 年 9 月にオープンソース化され、GitHub 上で更新の様子を追跡できるようになりました。 リポジトリの最新コードは、リリース版の Visual Studio よりも数ヶ月ほど先行している点に注意が必要です。更新が反映されるタイミングは Changelog で確認できます。 本記事では、上記リポジトリで確認できる、最近実装された興味深い改良を 2 つ紹介します。 1. アルゴリズム関数のベクトル演算対応 範囲に対して検索の操作を行うアルゴリズム関数の一部が、適切な条件を満たす場合に、ベクトル演算 (SIMD) を用いて実行されるようになりました。 記事執筆時点での最新の MSVC STL
これは、 C++ でコンパイル時に出力まで済ませようとした話です。 コンパイラは GCC に限ります。 はじめに もうすぐクリスマスですね! クリスマスにすることといえば……、 そう、コンパイル時処理ですね!! コンパイル時処理 C++ のコンパイル時処理は非常に強力で、様々なことがコンパイル時にできてしまいます。 普通はコンパイル時に決まる定数の計算に使われますが、これを悪用利用してコンパイル時に処理がすべて終わるようなものも書くことができます。 例として、コンパイル時 FizzBuzz を書いてみます。 #include <array> #include <string_view> #include <algorithm> #include <concepts> #include <iostream> template <std::unsigned_integral T> conste
はじめに 競プロのコーディングが快適になるC++20新機能をまとめました!! C++20の豊富な新機能から競プロで便利な機能を合計で16個紹介します. ※(2023/8/7追記) AtCoderでは2023年の言語アップデートにより、ほとんどの機能が使用可能となりました。新バージョンのgcc12.2では、紹介されている機能のうち <format> を除くすべての機能が使用可能です。 参考文献 https://cpprefjp.github.io/lang/cpp20.html https://en.cppreference.com/w/cpp/20 を参考にしました. cpprefjp以外をあまり見ていないので,間違っているところがあるかもしれません. 誤りに気づいたら指摘していただけると幸いです. 標準ライブラリの新機能 1. コンテナのメンバ関数の追加 1-1. 連想配列に conta
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