岡島幸男 なぜ作りすぎてしまうのか? 『リーン開発の本質』を読んで改めて考えました。なぜ,受託開発でも作りすぎてしまうのか? 製品(パッケージ)開発とは違い,受託開発では,お客さまから要望のあった機能のみ作られるはずです。 もちろん問題はそう単純ではありません。イテレーション開発やアジャイル開発が生まれた背景には,「そもそも要件が最初に完全に決まることはありえない」というソフトウェア開発50年の歴史から学んだ経験則があります。 私が言うまでもなく,要件は揺れ動きます。お客さまのニーズはシステムの開発期間を通じて少しずつ固まります。その影響で,要件や仕様が増えたり減ったり変わったりするのです。 「28分の10」。これは私が担当したあるシステムの設定項目(プロパティ)のうち,「利用されていない項目の数」です。28の設定項目のうち,10個は実際には利用されていません。約35%です。これら10個は