日本語版のタイトルは『繁栄 ~ 明日を切り拓くための人類10万年史 』。一方、原題は"The Rational Optimist ~ How Prosperity Evolves"。そのまま訳すと『合理的な楽観主義者 ~ 繁栄はどのように進化してきたか』となる。邦題に欠けるこの「合理的な楽観主義者」は本書内でもキーワードとして多用されている。また、本書の最後を締める言葉として、「二十一世紀は生きるのにすばらしい時代となる。 あえて楽観主義者でいようではないか」と楽観主義者が使われている。特にこの本は、極端な環境保護主義者や温暖化反対者や再生可能エネルギー礼讃者などの「非合理な悲観主義」に捕われているのを翻意させることが目的のひとつなのだから、せめて副題には「合理的楽観主義」の言葉は含めてほしかったところ。 その副題も少しひどい。10万年間がどうのというのは本書の主題ではない。そもそも章立て
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