今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。 『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』など、多くの国民的映画を生み出してきたスタジオジブリ(以下、ジブリ)。前回の記事では、宮崎駿監督作品が1作平均興行収入100億円超という驚くべき数字を叩き出すことによって、劇場オリジナルアニメ中心のビジネスモデルが成立してきたことを解説した。 →「なぜジブリは国民的映画を創り続けるのか」 ところが今、このジブリを支え続けてきたビジネスモデルが転換期を迎えているように見える。次表はジブリ作品の興行収入の推移だが、『千と千尋の神隠し』以降、興行収入が下がりつつあること
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