岐阜県立関特別支援学校 神山忠 こうやま・ただし はじめに ディスレクシアという言葉はどのくらいの知名度があるでしょうか。この機関誌でも目にするようになりましたが、一般的な知名度はまだまだだと思います。ましてや図書館で働かれている方たちが、ディスレクシアの特性を持つ人たちの気持ちを察することはなかなか難しいのではないでしょうか。小さい頃から文字が読めなくて恥ずかしい思いをしたり、読みたくても読めなかったりするもどかしさは実感として持てないかもしれません。 よく「当事者」という言葉を耳にしたり、私自身も使ったりします。私自身ディスレクシアの特性があり、文字からの情報を得るのにはかなりの困難があります。ですからディスレクシアの当事者と言えます。しかし、私が困難を感じているのは私自身の問題なのでしょうか。極端な発想ですが、墨字にされた文字が存在することで困難が発生しているわけで、こうした環境でな